雅・処

好きなアイドル・俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

百花繚乱? 2022年 日本BLドラマ

数は増えたけど、質より量の時代に

2022年に入ってから日本で制作されるBLドラマが量産傾向となってきました。勿論、男女恋愛ドラマはまだまだ主流でしょうが甘酸っぱい少年少女の青春ドラマが減った分、BLドラマへの試みが増えたような気がしています。


「チェリまほ」の大成功から、「消えた初恋」「美しい彼」とスマッシュヒットが続いた反面、ここへきて若手登竜門的な色合いもあって新人または無名の若手売り出し狙いかな~?と思わなくもない感じが若干気になります。


原作もそこそこ可愛い、なんか小粒でわちゃわちゃしてる、噛み応えの無いガムみたいな内容が続いてるので、ちょっと刺激が欲しくなってくるんですねえ。(’90年代のBL黎明期に似てる感じ空気感)


『不幸くんはキスするしかない』(ふこキス)は、ブログに感想書く気力すらないまま終わってしまいました。ちゃんと全話見て、主演の2人も可愛い男子だな、と目の保養にはなったのですが、昔の別マみたい、という印象でした。


同時期に台湾BLドラマ「永遠の1位」がBSで放送されていて、主演2人の強力な個性と魅力、演技力に圧倒されてしまい、比較できないほど日本製作陣のレベル差に頭を抱える感じだったのでなおのこと。


日本の場合は、ローカル深夜ドラマだから・・・という点を抜きにあまり本気が感じられないんですよね。制作費もあるとは思いますが、若手使うならもっと新鮮で果敢にチャレンジもして欲しい。


「先輩、断じて恋では!」は、1話で脱落しました。好みの問題はあるのかもしれませんが、なんだか主演俳優タイプがどうにも合わなかったです。あまり夢見られない、というか。

ひたすら滲み出る少年性を愉しむ、高良くんと天城くん


そして、最近は『みなと商事コインランドリー』と『高良くんと天城くん』を見ています。すっごくハマってて良いドラマ、というわけではありませんが、それなりに楽しんで見てます。


高天は、ジャニーズJr.の期待の新人2人。さすがに顔面偏差値の高さには脱帽です。それとサラサラのマッシュルームヘア、ツルツルお肌の無双ぶり、アップの度に目を奪られるのが少年特有の儚い美しさ


もうここまで揃えてしまうと、他の欠点は目を瞑ってしまうしかない・・・とはいえ残念ながら演技力は褒めたもんじゃないです。顔に見とれていると、一気に現実に揺り戻されるような佐藤新君の台詞の破壊力とか、織山尚大君の不思議ちゃんBOYっぷりとか。


もうね、ここまでいくとツッコミどころ満載です。クラスの1軍として華々しく眩しく目に映る高良に、地味な天城(いや充分アナタも可愛いが)が告白されて「好き」って思ってしまうくだりとか、BL系の色っぽさが全然ない。


健康体でちょっと拗らせてる男子2人が「恋ゲーム」してるかのような、アッサリ感。それは、高良の抑揚のない無表情の台詞回し(棒読み・・・に近い)とまるで乙女のようなうるうる瞳で見つめる天城の対比のせいかもしれず。


一方で、ジャニーズJr.では同期らしいこの2人、キスシーンも接触も自然に(無色透明なピュアさで)構えることなく演じていてそこはとても好感持てました。その昔、Kinki Kidsもキスしてましたがあの当時ほどの当人同士の拒否感が強くないのはありがたい。


デビュー前という売り出し時期で、大量のライバルたちから頭一つ抜けるためか体張ってるなあ、と思えなくもないけど、チャンスを逃さず真剣に向き合ってる姿は伝わってきます。


新君は、本当は2年くらい現場で経験積んでからやったら全然違ったと思うのでちょっと可哀想と思ってしまいますね。無表情な高良役って実写の場合は特に巧さが要求されると思うので悪い意味で目立ってしまう感じです。


織山君も、愛され役として可愛いを全面に押し出そうとしてクセ強めというか、ちょっと浮いてやしないか?という感じなんですが、ドラマの中でややぎこちない2人は、恋に奥手な感じも滲み出ててカップリング相性はなかなか良いという見立てです。


Snow Manを好きになって久しぶりにジャニーズを見るようになり、「少年俱楽部」を見ていてもほとんど今のJr.が見分けつかなかったのですが、おかげで2人には親近感を覚えるようになりました。


織山くんはダンスが得意な子なんですね。勝気な男の子っぽさ全開でキビキビ踊ってるし、新君もまんま高良のビジュアルでクールに歌い踊る姿は目を引きます。最近、「少クラ」でも立ち位置的に目立ってカメラに映るようになってますね。


まさか現役の少年達でBLドラマってどうなるんじゃ!?と思ってましたが、ジャニーズ戦略恐るべしですね。グループ違いというのも緊張感があって新鮮なので良かったです。


高天に関しては、ドラマの内容とか展開がどう、というのはほとんどなく、ひたすらビジュアルと見慣れない演技と関係性だけで萌え(?)てる感じ。溢れる少年性を鑑賞する楽しみって背徳的な楽しみかも。




『みなと商事コインランドリー』は及第点


あと1話で最終回を迎える「みなショー」は、フレッシュな若手俳優陣が好演していて、ドラマとして見やすく、爽やかでベタベタしていないラブストーリーなので、🔰でも安心できる内容となっています。


子供の頃に自分を救ってくれた晃(コインランドリーで働く)に一方的に好意を寄せる高校3年生の慎太郎との追いかけっこのようなBLドラマです。真っ直ぐ晃に注ぐ慎の恋情があまりにも強いので、晃はあたふたして「俺には眩しすぎる」と呟く。


確かに慎の思い込みの強さやお節介さは、ときに駄々っ子のようなワガママさと母親のように思いやり深い情が絡み合って、晃のペースを崩してしまいがち。10歳ちかい歳の差を考えると及び腰になる晃の気持ちも分からなくもないですね。


超特急というアイドルグループのメンバーで「チェリまほ」では六角役として魅力を振りまいていた草川拓哉君と、「消えた初恋」の熱血学級委員長役で目を引いた西垣匠くんとのタッグなので心配はありませんでした。


特に西垣君は、消え恋の時の元気少年を封印して、長めのストレートヘア&清楚な少年へのイメチェンが見事で、演技も安定感があってすぐに好感を持ってしまいました。


慎太郎役はオーデションで勝ち取ったそうですね。それもあってか、(主演ということもあるのでしょうが)すごいやる気に満ちていてそこが役の真っ直ぐさと相俟って伝わってくるんですよね。



草川君は、さすがに等身大の自由人、晃役を余すことなく演じてくれてます。回想で出てくる学生服姿、今井翼君に似てるな~アイドル顔なんだな、とつくづく思いました。


このドラマ、晃の初恋の佐久間先生に福士誠治さん(懐かしい~💛)が出てきたり、慎の妹の桜子なども出てきてBLドラマにしては、キャストに広がりがあって新鮮でした。


また、前髪をピン止めした個性的な風貌の友人、明日香(奥智哉)が驚くほど華があって、ひょっとしてこの子も当初、慎太郎候補だったのでは?というくらい魅力を振りまいてます。


最初は、ただのひやかし友かと思いきや、塾の講師・柊に片思いするサブカップルの1人というなかなか目立つ役どころ。届かない想いに振り回されている姿が可愛くて目が離せないのです。


このドラマ、派手なストーリー展開であれこれ見せつけるドラマではないけれど、キャスティングの安定感は抜群で、不要な場面がほとんどないのです。その点はさすがドラマのテレ東だな、と思ってしまいます。


慎はグイグイ、晃に迫っていくけれど(いわゆる年下攻めか)、それがうっとおしく白々しく見えないのは草川くんの守ってあげたくなるような愛くるしさもあるのかもしれませんね。


ビジュアルブックもまもなく発売されますね。


それなりに多様なBLドラマが出てくるのは嬉しいのですが、そろそろ切なさドップリ系のBLも見たいですね。あとTverのおかげでローカル系深夜ドラマも見られるようになってますが、ちゃんとテレビ放映して欲しいですね。


高天(MBS)の後番組もBLドラマのようなので少し楽しみにしています。キャストも演技もストーリーもどんどん進化して欲しいものです。