アイドル深津絵里・誕生
何を隠そう、私は一時期、深津絵里ちゃんの”プチ”追っかけをしていたことがあります。プチというか、そこまで頻繁ではなかったのでプチプチくらいでしょうか(笑)。きっかけは、以前ブログで取り上げた『1999年の夏休み』という映画です。そこで、とても魅力的な美少年を演じた美少女こそが水原里絵という名でデビューした深津絵里ちゃん、その人でした。
13歳のとき、原宿音楽祭グランプリを受賞し、大分から出てきた一人っ子の15歳の少女。映画の公開は'88年で撮影はその1年前になります。甘えん坊で寂しがり屋、ちょっと不器用で透き通るような肌をした”少女のような美少年”則夫役。何より印象的だったのは、後ろ髪を刈りあげたショートカットとそのまんまるな眼です。
どこまでもまっすぐで混ざり気のない瞳にヤラレてしまいました。映画に出てきた4人の少女皆が、それぞれとても魅力的で好きだったのですが、中でも印象的だったのが深津ちゃん。まもなくアイドルとして歌手デビューが決まり、即ファンになるぞ!(笑)と意気込んでおりました。
【 歌手デビュー後 】
「YOKOHAMAジョーク」という青春懐メロチックな曲でデビューした深津絵里ちゃんは、高原理絵という別名で「マリオネット・ブルー」という曲も同時発売しました。同一人物なのに別の名前でデビューする、という話題性を狙ったのでしょうがこれはイマイチ不発・・・に終わったと思われます(汗)。
それでも初めて聴いた深津ちゃんの歌声は、予想以上によく伸びる素直でなかなか魅力的なものでした。声にもこれまた一瞬で惚れてしまったのです。その後、シングルも数枚発売し、テレビにもちらほらと出演していましたが、なかなか歌番組で彼女を見かけることが少なくてとても残念でした。
また「ミュージックステーション」などにもゲスト出演した時も、その姿は奥ゆかしすぎて地味なB級アイドル(礼儀正しさはとても好感が持てましたが)といったところで「ブレイクは難しいだろうなー。」と思ってました。*1
それでも私自身、特に残念というほどでもなく、彼女の歩調と併せてまったりとファンをしておりました。深津ちゃんもビクターのビデオのCMやJR東海のシンデレラ・エクスプレスなど印象的なCMもあり、その後も映画・TV出演などが続いたのでマイペースに活動を持続してました。
【地道に映画出演を重ねて】
初期の映画では、小学生役を演じた『STAY GOLD』*2が気に入ってます。とにかく瑞々しくて可愛い少女ぶりで制服も乙女チックなのに、大人のイヤラシさが感じられる”作られた女の子”とは全然違うのです。この映画でも彼女が生来持ち合わせていた”清純さ”が花開いてました。
そして彼女の最初の転機となったのが『満月のくちづけ』。ローマファンタスティック映画祭という耳に馴染みの無い映画祭で主演女優賞を獲得して、注目され始めました。*3
女子高を舞台にセーラー服の美少女・深津ちゃんがロマンティックホラー(学園もののホラー)の世界で、恐がり泣きながら走りまわるその斬新さがウケたのか、はたまたいかにも古風な若い男の先生への初恋というのが良かったのか、この栄誉に輝きました。それから深津ちゃんは、演技のできる若手アイドル、としてTVドラマなどにも出演が決まっていきました。
しかし相変わらずドカーン!とブレイクするのではなく、地道すぎるほど地道に(笑)芸歴を重ね、いつの間にか『踊る大捜査線』など国民的なドラマや話題の舞台に出演するようになったりしていた・・・のですからその息の長さには驚きます。
【 プチプチ追っかけ遍歴 】
現在の女優、深津絵里とは全く違った視点で「アイドル」時代の深津ちゃんを堪能していたのは、もう10年以上前のこと。丁度、自由が利く頃というのもあって地元でのキャンペーンイベント、ファンの集い、映画の舞台挨拶などで深津ちゃんを追いかけてました。キャンペーン会場で深津ちゃん目当てのお客さんは私を含めて3人、残り2人はB(C)級アイドル目当ての一眼レフカメラ兄ちゃん達、というとても怪しい出来事もありました。
その時は、さすがに「なんて怪しいことしてるのかしら・・・」とわが身を苦笑してましたけど。忘れられない思い出は、初めてにして最後の深津ちゃんのFCの集いです。20名程度のファンと一緒に、深津ちゃんとクイズやゲームなどで交流を深めるという、かなり定番な集いです。
深津ちゃんに一問一答!ということで「仕事をしててツライなーと思ったことありますか?」と聞いた私。それに対して「特に・・・ないですねー。そういう経験あるんですか?」と切り返されてしまい、「ええ、まあ・・・(シミジミと)。」などと神妙に答える自分。
あとから同伴した友人Gちゃんに「なーに、自分のこと言ってるの、可笑しかったよー!」と言われてしまいました。確かにどっちが質問してるんだ、という感じです。まだ当時20歳前後だった深津ちゃんは若くてもとてもシッカリした印象で感心したものです。最後は皆で記念撮影して完了。なかなか良い思い出です。
歌手としては、2枚のCDを出した深津ちゃん。透明でとても心が落ち着くような優しい歌声で歌手としても決して凡庸ではない才能を感じさせてくれたのでまた歌ってくれるといいなあ、と密かにおもっております。それでも当時の深津ちゃんと今の”女優”深津絵里が同一人物なんだ、というのがなんだか解せないもの事実です。この変貌ぶりというのが人生の醍醐味なのかもしれません。
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*1:この頃から、若さに似合わない落ち着きのある女の子で全然キャピキャピしていなかった気がします。
*2:自殺した同級生を想い、山に登る3人の少女のお話。日本版スタンド・バイ・ミーと書かれてましたね。