雅・処

好きなアイドル・俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

映画『僕は妹に恋をする』 ポスターに一目惚れ

日頃、ほとんど直感で映画を選択している私ですが、ポスターを見てこれは見たいぞ!と思ったのが松本潤主演の『僕は妹に恋をする』でした。とにかく、白地のシンプルすぎる背景に、爽やかなマツジュンの制服姿の上半身の写真がドーン・・・まるで絵に描いたような分かりやすい、美少年ぶりにクラっときてしまいました。


原作は600万部を売り上げ、若者に大人気(らしい)の同名少女漫画。双子の兄妹、頼と郁のタブーな愛を描いた作品です。映画の前に試しに漫画を読んでみたのですが、そこはかなり・・・いやはやトンデモナイ・・・ことになってました。漫画家となった友人が「レディコミより何より、今一番スゴイことになってるのが、少女漫画。」と言っていたことを思い出しました。


過激な描写には今更驚かないとはいえ、随分と何でもあり、な世界。まだ成長過程の少女達がこんなものばかり読んでいたら、「そりゃあこんな世の中にもなってくるはずだわ・・・(溜息)」と思うほど。1巻を読んだところで、早くもこりゃあ無理かな、とギブアップ。しかし、一方で行き着くところまで行ってから”ピュアな愛”を探しに行く二人、という逆説的な展開を暗示していたので、きっとそこが熱い支持を受けてる要因かも、と推察しました。


この映画は、原作のエッセンスを元に”似て非なる作品”に仕上げていたのではないか、というのが勝手な思い込みです。アブナイシーンはサラリと流し、あくまで揺れ動く2人の主人公をテーマに置いています。漫画では、妹・郁の揺れ動く心情が、言葉で過剰に散りばめられているため、ちょっとヤカマシイほどですが、映画ではそれを台詞で直接的に表さず、微妙な表情・見つめ合う視線で感じとらせているため、かなり寡黙な作品になってます。


正直言って、ストーリー的にはやや退屈な映画かもしれません。登場人物も主人公の友人達(それもどちらも双子に片思いしてます)と母親のほぼ5人に絞られていますし、学校や近くの野原とか場所も限定されていて、特別大きな事件もなく、ひたすら淡々と物静かに過ぎていきます。息苦しい想いを溜め込んで交叉する瞳、かすかに絞り出すような兄妹の声、だけに集中するほどに。

【少年の日】


アイドルグループの嵐のメンバーで、現在もTVドラマでは当たり役の多いマツジュン。思えば、今から11年ほど前、まだ彼がジャニーズに入りたての頃から、目を引く男の子でした。小柄だけれど、ちょっと背伸びした感じもあり、小さな丸い顔に大きなクリクリの瞳、ひん曲がり気味の口元が印象的で「猫目小僧」と呼んで、自然と目で追っていました。


少し成長すると顔立ちは、若干下ぶくれ気味になって、発言もまさに生意気ざかりの少年そのものという感じに。しかし一方で、『ぼくらの勇気 未満都市』で見せたようなナイーブな少年役などをやらせると、とてもハマルのです。黙って目をちょっと潤ませて、じっと見つめるだけで絵に描いたような美少年になるなあ、と感心したものです。

【マツジュンの魅力を封じ込めた作品】


今回の映画は、23歳のマツジュンにとってはちょっと若作りの高校生役。そんな年齢的なハンディなど覆ってしまうほどに、あまりに「瑞々しい少年」ぶりをあますところなく見せてくれて、ちょっと感動しました。最近、クセのある役どころが多い彼ですが、ここには私が一番見たかった、ナイーブなマツジュンがいました。


相手役の榮倉奈々ちゃんは、ハニカミ笑顔が愛らしい女の子。舌っ足らずの喋り方は、なんだか媚を売ってるようでいただけなかったのですが(あくまで演技の中で)、清潔感があって同性にも好かれるタイプに見えます。ただ、彼女かなりの長身で、並ぶとマツジュンとほぼ同じくらいの大きさ(168cm位あるのかも)だったがちょいとツライ。体つきも立派だったので、並ぶと時々マツジュンが華奢に見えてしまうのです(笑)。


そんな奈々ちゃんとは至るところでキスしまくりだったマツジュンですが、「あの小さかった坊やがこんなに青年になって・・・」とまるで”近所のおばちゃん”状態になってしまう身が悲しい。この二人、仲睦まじくスキンシップしてるかのような、仲良し兄妹ぶりのおかげでだいぶ”禁断の愛”度は薄まっていたかもしれません。イヤラシサがないのが救いでした。


奈々ちゃんといるとかろうじて男くささも出るマツジュンですが、同級生の矢野(平岡祐太)といるともっとナイーブさが増して、いやはや本当に吸い込まれるようにキュートです。若かりし日の柏原崇を思わせる平岡君は、それもそのはずジュノンボーイ出身だとか。演技はまだまだ危なっかしいものの、眼鏡で和らげている素顔はなかなかの美形。頼にアタックする友華(小松彩夏)もかなりの美少女なので、少女漫画の世界とはいえちょっと現実感がなさすぎかも。


郁に付き合って欲しい、と淡白なアプローチをしている矢野の性格が中途半端だったので、ずっと「変な友達だなあ〜」と思っていたら、終わり近くになって「本当の想い人は、もしや・・・?」なんて伏線が出てきて、「なになにぃ?!」って急に身を乗り出してしまいましたよ、矢野君(笑)。


またクライマックスで、郁と頼の長廻しのシーンがあります。ここでのマツジュンは、かなり魅力的でした。必死に堪えつつも涙を流している無防備な表情を見ると、


 キミのほうがよっぽど麗しき姫だよ〜!


って言いたくなるほどです。白ブラウスといい、白ジャケットといい、こんなに白が似合うのか、と新たな発見もありました。持って生まれたものとはいえ、演技だけではこの透明感やナイーブさは出ないでしょう。そんな貴重な一瞬が見れたことが何より嬉しかったです。


DVD発売中。

松本潤 榮倉奈々 平岡祐太 小松彩夏 in 僕は妹に恋をする

松本潤 榮倉奈々 平岡祐太 小松彩夏 in 僕は妹に恋をする


これも欲しい。買っちゃうかも。

ぼくらの勇気 未満都市 VOL.1 [VHS]

ぼくらの勇気 未満都市 VOL.1 [VHS]


マツジュンがナイーブな少年役として話題になったドラマです。作品としても面白くて記憶に残ります。

僕は妹に恋をする 1 (フラワーコミックス)

僕は妹に恋をする 1 (フラワーコミックス)


原作漫画です。勇気がある人はどうぞ(笑)。