雅・処

好きなアイドル・俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

スタジオライフ『11人いる!』観劇記

久しぶりに胸キュン

先日、東池袋あうるすぽっとで公演中のお芝居『11人いる!』を見てきました。1日でマチソワ観劇という毎度ハードな日程でしたが、いつもより元気だったのはライフにしては奇跡的に短い(笑)ノンストップ2時間というタイムテーブルのおかげですね。更に、久しぶりに揃ったライファー仲間との熱い歓談に潤されて楽しい1日になりました。


思えばライフの芝居は、7ヶ月ぶりです。『WHITE』と『DORACURA』を飛ばし、夏冬イベントのみ参加という状態だったので。こんなに空いたのは、ファンになってから初めてかもしれません。遠征がないおかげでお金が節約でき、家電を沢山買えました。そうなるとなんだかどっちが良いことなんだか分からなくなったりもして・・・(苦笑)。チケット代、交通費、宿泊費、そしてあなどれないのがグッズ代。


あれこれ節約してグッズも制限して、と思っていてもついつい物販に立つ役者さんの顔見てるとノセられて買ってしまうのが悲しい性(サガ)です。入口の真正面に立つ吉田君にもドキリ。思わず目を合わせられず・・・。なんか役者時代より、今の方が変にときめいてるってどういうこと?!でも、なんか心がヒリヒリします。今回の『11人いる!』の優先予約時期と吉田君の去就(制作転向)が重なった時は、本気で見に行くのを止めようか、と思いましたからねえ。


くだらないつぶやき:「私(ボク)は、役者をしていた(生きていた)ときより、辞めた(いなくなった)今の方がずっとずっと吉田君(トーマ)のことが好きになった。」(by レトヴィ風に)


ただ萩尾先生原作の舞台化作品は、これまで劇団において一度もDVD化されておらず*1、その後の評判もイマイチなのか(苦笑)、『トーマの心臓』『訪問者』以外、再演もほとんどありません。過去には『マージナル』『メッシュ』なども舞台化してるんですが、続編すら作られず、ここで見なければ二度と見られない可能性が高い作品なので、思い直して行くことにしました。


『11人いる!?』は、他所の公演がDVD化されているところを見ると、萩尾作品をDVD化しないのは、萩尾サイドから許可がもらえないというよりも、劇団側が敬意を表して(?)遠慮している、と思えなくもないのですが。

【宇宙船の中の人間模様】


あらすじ:宇宙大学入学をめざす各星雲選りすぐりの若者達。最終試験は、宇宙船白(ハク)号に乗り込み、宇宙空間でのシュミレーションを体験すること。一人でも脱落した場合は、全員不合格という連帯責任を負う。乗船人数は10名。しかし、白号に乗り込んだのは11名。誰が11人目なのか、疑心暗鬼が渦巻く中、様々なトラブルが発生していく。


実は公演日からかなり日が空いてしまって、感想を書こうかどうか迷ったくらいなんですね、今回も。公演中は、舞台を見てるのが楽しくて「もう1回見たいな~。」と思ったりするのですが、帰ってくると「ああ、楽しかった。」と満足してしまって、もうそれで良し、みたいな(笑)。私にとって、東京自体が、もはや”夢空間”なので、そこから地元の”生活空間”にワープしてくると、なんかある種の充足感があるのか、などと思ったりもして。


ともかくも今回の芝居を一言で表すと「楽しい!」という月並みな言葉になります。頭を使わずに、小難しいこと考えずに、ただ楽しめる、そういう意味では真の娯楽作品と言ってもいいほど。確か舞台挨拶で、曽世さんが「スタジオライフでも、こういう作品は初めてではないか。」と語ったような気がしますが、私もそれは実感してました。大体、屈折してない芳樹君を見るのが初めてですもん(笑)。


ライフの作品って、どんなに楽しい作品でも「悲哀」が必ず入っていた気がします。一見、楽しい部類に入る芝居でも、主人公が抱えている孤独とか寂しさなどが薄くオブラートのようにかかっていて、底抜けに楽しい!という作品はほとんどないんじゃないか、と。だから毎回見終わると、一種の寂寥感に襲われて、「なんか重いんですけど・・・」となってくる。それを”余韻”と呼ぶこともできますが、女性特有*2の割り切れない感情を背負わされたような重さが、疲労を引き起こす。ただ稀に、名作と言われる作品には、その重さが”快感”に繋がることもあったりするのですが。


原作未読なので舞台オンリーの印象になりますが、若者が元気に駆け回っている活劇チックなお芝居に見えました。男性ばかりの登場人物で、男の子が夢中になりそうな道具やSFもどきの世界観が拡がっていて、演じてる役者も楽しそう。後半で、登場人物の一人、女性的な美貌のフロルの隠された真実が明らかになる時に、だから「萩尾さんの描く少女漫画なのか!」といたく納得してしまったのですが、もともとSFが得意でない私にも充分に楽しめました。


宇宙船のセットも、ライフにしては(笑)非常に凝った出来栄えでしばし感嘆。これだけ大掛かりなのは、あの伝説の「月の子」の”およげ!たい焼きくん”以来かも。どうやって作ったのかしらん、としばし目を奪われておりました。宇宙服をはじめ、衣装や装飾品・道具の数々も低予算ながらも(と勝手に思ってるのですが)、ちゃんとサマになっていて大変良かったです。

【印象に残ったのは】


メンバー11人、それぞれ良い味を出していました。特に目を引いたのは、Wキャストで違いがハッキリと出てきた人達ですね。フロル役の及川健君と三上俊君。健君は、往年の輝かしいヒロイン群を彷彿とさせ、年齢による衰えを全く感じさせない美貌ぶりに心を奪われました。ベランメエ口調の男性役ではあるのですが、タダ役の芳樹君に最初から強い興味と関心に突き動かされまとわりついてるのが分かりました。芳樹君とのコンビが本当に懐かしくて思わずジーンとしちゃったり。


三上君のフロルは、綺麗だけどもやっぱり少年らしくて、(マツシン演じる)タダにご執心という感じではない爽やかなイメージ。素直に演じていて、友達っぽさがよろしかったです。だからこそ後半で、タダと2人のシーンで、ちょっとした気まぐれのように照れながら告白する姿が、愛らしくて胸キュンなんですよね。一つ残念だったのは、座席の角度から、三上フロルのお尻が見えなかったこと(って、そこかい!)。


バセスカ(王様)役は、やたらと偉ぶる態度が他のメンバーに顰蹙かってる青木君と、威厳ありすぎてすぐに”リーダー”として振舞う曽世さんが対照的で面白かったです。当初は、誰からも認められていない存在なのですが、いろんな事件を通して皆が理解を深めていき、最後はちゃんと仲間の一員になっていくという変化が見られて面白い役だなあ、と思いました。どちらかというと青臭い感じの青木君が良かったですね。


特殊メイクのさん、山さきさんには最初はギョッとしました。映画の中のキャラクターみたいで。顔型を石膏で取るのは大変だったようですけど、出来はなかなかのものでした。またそのギャグみたいな緑の顔で、真剣に悲しい身の上を語る林ヴィドメニールは、相変わらず説得力のある台詞廻しで、尾を引きました。残像がやたらと残ってしまいましたわ。


ジュニ9の堀川君も、ちょっと見ない間に立派になって・・・目頭が熱くなりました(笑)。何より白いスーツがハマってて、”ホスト系”演じさせるとピカ一なのは、すごい。ライフには、何気にいそうでいなかったキャラなので、強みとして励んで欲しいです。確かこの堀川君、ジュニ8として合格したものの一度リタイアして”帰ってきた男”でしたよね。その情熱?を忘れずに。


昨今、金銭的な事情で新人公演を飛ばしてるので、フレッシュの松村君、鈴木君については演じるところを初めて見た、という感じなのですが、舞台経験が少ないにも関わらず、ちゃんと危なげなく演じていて感心しました。イマドキの若者は器用だなあ、て。もっとも松村君は子役上がり*3でしたね。基礎は出来てるから、今後どんどん活躍していくかしら。


それにしても倉田さん、相変わらず短編を舞台化すると上手いですねえ~。(ライファー共通認識かも)長編はグダグダになりがちなだけに、その差が歴然としてしまうような・・・。


全然この芝居には関係ないのですが、昨夜BSで海外の歌劇『パサジェルカ』(スタジオライフも過去2回上演)を放送していました。最初に強制収容所での坊主頭の女性2人が出ていて、次に太めの女性が船の上で男性と「マルタに裏切られたのよ・・・ワルター」と語る。あれ、これってもしかして!?と思ったらやはりパサジェルカでした。オペラになっていたんですね、この作品*4。びっくりしました。ライフを見続けると、たまに倉田さんの先見性に驚くことがあります。


11人いる! (小学館文庫)

11人いる! (小学館文庫)

原作本です。


Blue Shuttle Produce Axle 11人いる! [DVD]

Blue Shuttle Produce Axle 11人いる! [DVD]

ライフではないのですが、舞台版のDVDが出てますね。ちょっと見てみたいな。


miyabi2013.hatenablog.com

*1:トーマの心臓」だけはNHK-BSにて放送

*2:脚本家が女性なので

*3:「ひとりでできるもん」の文ちゃん役。結構人気で可愛かったらしいのですが、写真が見つからない(涙)。

*4:はるか昔に映画化されてもいます