雅・処

好きなアイドル・俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

青春系BL映画「ひだまりが聴こえる」

設定は重いけど、爽やかな青春映画

初夏の東京遠征で、お目当ての観劇よりも楽しみにしていたのは、BL映画鑑賞でした(笑)。それも『ひだりまりが聴こえる』&『ダブルミンツ』という対照的な2本!この時期に、池袋の映画館で、同時に見られてとても満足です。何せそこそこの都市でありながらも地元で、この手(BL系)の作品はなかなか上映されないので。


『ひだまり~』のほうは、漫画原作が実写化される、という報をだいぶ前に知って、珍しく原作を読んでから見た作品です。お涙頂戴モノの難病系映画は、基本的にはパスなのですが、この作品の主人公であるイケメン大学生、杉原航平(多和田秀弥)は、突発性難聴で耳が不自由であるものの、命には別条がない設定。


相手の話す言葉がよく聞き取れないことから、自然と心を閉ざしていた航平に、ひょんなきっかけで屈託なく話かけるようになる根明な苦学生、佐川太一(小野寺晃良)。この対比がなかなか面白い。漫画では、難聴についてちょっと理解しづらい部分もあったのですが、映画だと航平の耳に聞こえる「音」の描写がしっかり分かるので、彼の”生きづらさ”が伝わってきました。


他人の話す声が聞き取りづらい中で、太一のよく通る声だけは聴こえる、というところがBL的萌えポイント。そして聴力の低下で、その声が聴こえなくなるかもしれない恐怖、というのも、かなり切ない想い。背景は自然なキャンパスライフの一コマですが、なかなかうまい見せ方をしてくれています。


原作者の文乃ゆきさんも苦労しながらBL漫画に仕上げた、というようなエピソードを披露しているくらい、ごく普通の青春友情物語なので、BL苦手の一般人にも全然大丈夫、と思える作品だと思います。BL映画初心者にもおススメ!主演の2人も「友情物語」をアピールしてましたしね。

【演技力はまだまだだけど、キラキラの原石を楽しむ】

ストーリーも平易でとても見やすいですし、登場人物も少ない低予算作のいかにもなBL映画です。あまり一般的に知名度がないような若手イケメン役者を使っているところも超オーソドックス。その中でも出色なのは、太一を演じた晃良君のキラキラな表情ですね。スターダストプロモーション期待の新人、という感じの彼ですが、もう予告を見た時から、その可愛らしさにハートを掴まれておりました。


まだ17歳という瑞々しさ、で台詞回しも演技もまだまだ危なげあり、ですがその背伸びして大学生を演じているところも可愛いいし、航平になかなか想いが届かなくて空回りしているところ(?)も健気でピュアさが溢れていて、なんか晃良君見ているだけでウキウキでした。可愛い顔に似合わず、野太い声というアンバランスさも思春期真っ盛りの少年性を感じましたし。


顔立ちは完全アイドル系ですけど、あまり”変な垢”や癖がついてないところがJ系とは大違いで好感持てました。これから見ようとしている映画にも出演しているそうですが、果たして「ひだまり~」のような犬っころのような人懐こさは残してくれているだろうかしら。


対する多和田君のほうですが、私はちょっと・・・うーん・・・あまり。航平みたいに掴みどころがない役は、なかなか難しかったと思いますが、驚いた表情がワンパターンすぎなんだなあ~。ただし、本当はもっと友達を求めているのに、耳の障害のために諦めてしまう、航平の不器用さは、彼の持ち味とマッチしていたと思います。実際の彼はどんな演技をする人か分からないので、別な作品で見たら印象が違うかもしれませんが。


”爽やかBL系”で経験の浅い、若手イケメン俳優を使う限界なんでしょうね。鮮度をとったのかもしれませんが、せめてもうちょっと演技ができる2人が主役だったら、また違った面白さが出せたんだろうな、とも思ったりします。(反面、上手すぎてもまたちょっと映画の雰囲気が違ってしまうかもしれませんが。)


そして太一の友人役で、三津谷亮君が出ていて、タクミくんシリーズ以来、久々に見たら大人になっていてビックリ。あまりにも、タクミくん時代の、棒演技(失礼)の印象が強かったので、「おお、三津谷君、成長したなあ~。お兄ちゃんになってるわ。」と感心しきりで。当時は、演技はお粗末だったけど(何度もすいません)、超美少年だったのも脳裏に焼き付いていたので、今の姿がちょっと切なかったりもします。


晃良君もキラキラの一瞬は、そう長くはないと思うので、DVD出たらまた貴重なライブラリーにします。今、少女漫画の実写化はブームのようですが、そこから思い切りそれてBL映画に、過ぎ去りし青春(笑)や純愛を見出してしまっている自分がおります。そして、それを後ろめたいと思わず、「良かった、日本人に生まれて」なんて楽しんでいる今日この頃でした。


余談:たまたま公開初日に映画館に行ったのですが、移動時間の関係で舞台挨拶の回は見れず、やはり少し残念でした。


本編DVD発売決定


もはや恒例のメイキングDVDですね。


ひだまりが聴こえる (Canna Comics)

ひだまりが聴こえる (Canna Comics)

原作漫画も何度も読みたくなるタイプの優しい物語です。


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