雅・処

好きなアイドル・俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

完全無欠の最終回 消えた初恋

こんなにも高い幸福感

昨夜、「消えた初恋」の第十話(最終回)が放映されました。いつもの30分枠でなんのスペシャルもなかったけれど、コロナ禍で大変だったろう撮影の苦労をものともせず大団円のフィナーレでした。


いやもうね、中盤以降は、圧倒的な幸福感に包まれました。終わってしばし放心状態。そして一抹の寂しさも。ただ最終回のたった1度で地獄に叩き付けられたことが過去に何回もあったので終わるまでは気が抜けませんでした。


9話から途中から、井田の自分への想いが「本気でない」と疑心暗鬼になった青木が、態度を硬化させており別れ話をする流れになってようやく自分の気持ちに真剣に向き合う井田。


青木は井田が好きなあまり、これ以上傷つくことを恐れて身を引こうと思ったこと、何より周りに2人の関係が知られることの恐怖に囚われてしまってました。その恐怖心が「別に知られても構わないだろう」という井田には伝わらない。


男の子同士の恋愛をオープンマインドでドラマを描きつつも、そこには見えない現実社会の偏見の目から解放されたわけではない。それを完全に無し、とすることはパラレルワールドを意味してしまいます。


ただし深刻になりすぎず、軽快さ(周りの友人達の温かな反応)を残しているのがこのドラマの良いところでもあります。2人の関係を知ったバレー部の同級生達の後押しもあって学校に戻る井田。


すっかり点火祭のイルミネーションも消えて、失意にくれる井田の前に現れる青木。そっけなく井田にサヨナラを告げて去ろうとする青木にガシっとバックハグする井田。その瞬間イルミネーションに青い火がともっていく。


もう、神よ~💛となるくらいのカタルシスでした。井田からの真剣で熱い眼差し、「好きだ」というハッキリとした宣言、それを受けて照れて誰も見ていないのに恥ずかしくなってしまう青木の対比に胸キュンやまず。


なんというかイルミネーションの光輝く世界に、自分もフッとワープしてその世界の住人になったような不思議な感覚に陥りました。まるで点火ボタンを押して2人を見守るアックンと橋本さんのように。


ああ、なんて素晴らしいんだろう、この10分ほどの2人の愛の世界はとてもとても輝いてました。幸せの絶頂ってほんの一瞬だからこそ尊い、て思ってしまう最高の瞬間でした。


このドラマでBLを初めて見た人とか、2人のアイドルのファン、原作ファンとはまたちょっと違う感慨もあったのかもしれません。やっと、3度目の正直で見たいものが見られた、という感動も確かにあったんです。


思い返せば2019年の12月「おっさんずラブ ~in the sky~」の春田&成瀬も美しいイルミネーションの中を歩いていました。2020年「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」(チェリまほ)の黒沢&安達も冬の花火が輝くビルの上にいました。


でも、どちらのカップルもそんな最高の見せ場のはずが、どういうわけか中途半端な不発弾のように散ってしまった・・・。まるで愛する2人のカップルをあざ笑うかのように。「ベタな演出がそんなに嫌なの?」とひどく落胆しました。


青木と井田の見せ場は、最高オブ最高でした。丁寧にしっかりと心を通わせる2人。でもちゃんと井田は「俺たちって両想いだよな」なんて相変わらずトッポイ台詞を言ってますし、青木は「口に出さなくていいから」と可愛く恥じらう。


キャラクターの崩壊もなく、余計な邪魔ものもなければ、自己陶酔のあまり破綻した脚本もなく、ちゃんと真っ当に2人のまま最後まで優しい触れ合いを見せてくれます。爽やかで微笑ましい。じっくりゆっくり愛を育んでくれる姿、これぞ最高のBLドラマ、です。


9話の時に下手にキスに拘らなくていいから、とブログに書いたことの正解がこのラストにありました。BLだからキスをことさら避けるのも不自然ですが、気持ちが出来上がってもいないのに、無理やりキスシーンを作るのも雑なだけ。


青木が肉体的な接触に対する憧れや惧れを同時に抱いているので、あと2話くらい続いたらキスもありなん、でしょうけど、今の段階ならこれでいい。2人の心が本当に通じ合ってこれから、ですし。


miyabi2013.hatenablog.com

日本BLドラマの可能性を見せてくれた

可愛らしくて爽やかで健全で、男女の差もなく「初恋」のトキメキをきっちり描いてくれたこのドラマ。これから世界中で大反響を呼んでいくと思います。楽天Vikiでは、12/15から配信開始し、現時点で9.7/10の高評価を得てます。


多種多様なBLドラマに触れてる海外の視聴者も、日本人の我々と同じような胸キュンにハマっているようですね。消え恋を「チェリまほの子供達」なんて表現する人も結構いました。


日本BLといえば、昨年大反響を巻き起こした「チェリまほ」を覚えているファンは予想以上に多いみたいです。また最近とあるレビューで、「日本人って心の言葉ですごく饒舌に喋ってるね」という感想を聞いてなるほど、と思いました。


コミックが題材なのもあるのでしょうが、そういえば海外ドラマってポンポン会話が進むけれど、日本人のドラマは台詞が少ないかも。その分、内心の言葉はやたらと饒舌でペラペラ思いのたけを語ってますよね。


来年1月15日からは、Netflixでもアジア公開が始まるようです。いよいよ「消えた初恋」が世界を駆け巡っていくのでしょうね。なんの前情報もなく、このドラマに出会った人達にはすごいプレゼントになると思います。

①台湾(配信済)
②2021/12/15 Rakuten Viki 配信開始
Netflix配信開始
 ・2022/01/14 マレーシア
 ・2022/01/15 
  香港、台湾、タイ、フィリピン、インドネシア
  ベトナム、フィリピン、シンガポール
 ・2022/01/20 インド
④その他の地域

おまけ

さて最近自分で実感したことがあります。BLドラマにハマると私は主人公カップルのどちらかの役者に惚れてハマってしまうことが多い、ということ。つまりそれだけ”引き”がないといくらBLでも引っ掛かりないんだなあ、ということ。


ちょっと前ならリスクしかなかったかもしれませんが、BLドラマもうまく作れば役の相乗効果で人気爆上がり、海外での知名度も上がると思います。なので最近は制作も増えているのでしょうね。


「消えた初恋」のような優秀で可愛い作品がどんどん出てきてくれたら嬉しいなあ。今回、人気アイドルの道枝君や目黒君がとても素敵な演技を見せてくれたので、アイドルだろうが非アイドルだろうが魅力的な人選でどんどんお願いしたい。


アックン役の鈴木仁君や井田の幼馴染・豊田を演じた望月歩君という新進俳優にも目が行きました。勿論、橋本さんやヒロム&ルミの個性派カップル、委員長と副委員長など脇役たちも印象的でした。いいドラマって箱推しできるほど登場人物が魅力的ですね。


本当は、もっとグッズも発売されたら良かったのに、と思ってちょっと残念ですね。始めから人気出るとは読めないでしょうし、視聴者の年齢層がやや低そう?なので単価が高いモノとか出せなかったのかも。


経営的にテレビ朝日も厳しいでしょうが、良いスタッフがまだまだいると思うので、このクリーンヒットを足場にまた頑張って欲しいものです。


ブルーレイとDVD同時発売

原作、大人買いして7巻まで一気読みしちゃいました。ドラマへの編集がすごく巧くて感心。