私の最近のマイブームは、宝塚です。もともと5年ほど前からハマって通ってはいたものの、ご贔屓のスターさんも退団し、ようやく落ち着ける・・・と思った矢先のこと、周りを見渡せばまだまだ、と思ってたスターさんが急成長し、どんどんご活躍の昨今、「あれー?前よりずっと楽しいかも・・・」な現状に陥ってしまいました。散財人生はなかなか終わりを迎えられないのか(汗)と思うと複雑な気分ですが、見目麗しいスターさんにウットリできるのもなかなか、ということで。
個人的な思いですが、ここ1,2年で宝塚も大きな節目を迎えたような気がします。ちょっと泥臭くてたまらなく濃く、それゆえに印象的なトップスターがいなくなって、現代的で親近感が沸くようなタイプの薄めのスターさんに代替わりし、さらにその下の年代になると薄〜くてボイッシュになった感じ。昔風なのも好きだし、今風も楽しいし、どっちがどっちとは言えないけれど時代の波はやはり長い歴史の宝塚にも押し寄せているのかな、と思います。ショー好きの私にとっては、昨今のショーのスピーディな面白さにはかなり心を奪われてます。一人で空間を埋めるような圧倒的なスターが減った今、沢山の個性的なスターを様々に凝った演出で魅力的に見せようという試みが感じられてなかなかに刺激的なのです。
【歌の女神、春野寿美礼コンサート】
本日は、花組トップスター春野寿美礼ちゃんのコンサートが昭和女子人見記念講堂で行われました。東京公演初日です。本人もかなり嬉しそうに語ってましたが、昭和女子人見記念講堂、と言えば私の印象ではクラシック会場。多くはないものの、過去に数回、クラシックとバレエを見に行った会場でした。なので「寿美礼ちゃんと記念講堂?」という組み合わせがとても不思議で、どんなコンサートになるのか?と想像つかず。
ちなみにこの寿美礼ちゃん、知らない方はVISAカードの宣伝でよく看板に出ている人、という程度だと思いますが、2003年のトップお披露目公演では『エリザベート』のトート閣下を演じており、現在宝塚で屈指の歌い手です。*1彼女の武器は、その良く通るハリのある歌声と心情を歌に乗せて聞かせる表現力、声量や肺活量もなかなかのものだと思いますし、音域も広く、女声パートも危なげなく歌いこなします。子供の頃から声楽を学んできた、というほどの下地がなく、宝塚で素質と実力を開花させた、という意味では本当に歌の女神に導かれた人、と思わされる人です。
宝塚では私が一番好きな歌声は、トップ時代の涼風真世さん*2ですが、それに次ぐ惚れた歌声がこの寿美礼ちゃんです。男役ならではの艶やかな低音ボイスがたまりません。
さて今日のコンサートでは、無理やりオールスタンディング(笑)なシーンはなく、割と落ち着いた構成でした。今をときめく小池修一郎先生の演出だけに、飽きのこない内容でしたが、よく考えると宝塚の公演ではなかなか見られないショーでもあった気がします。第一部では冒頭、オーケストラに遅れてやってきたイマイチな演奏者・オサダ君=寿美礼ちゃん、が音楽的センスを磨いていく過程が描かれて、タップあり、クラリネットあり、スネアを叩きまくる寿美礼ちゃんなどが見られます。
一芸ご披露というのは、コンサートにありがちなシーンですが、短い期間にこれだけこなすのは大変だなあ、と感心しました。汗だくで手が滑り、二度ほどスティックを落とした寿美礼ちゃんでしたが、MCでも「落ち込んでません!」と言い切り、満足げな表情を見せてました。
第二部では、ビジュアル的にも金粉振りまいた髪型がとても若々しくてお綺麗でかなりときめきました。もちろん得意の歌も沢山聞けました。ポップスやミュージカルナンバーは当然として、オペラの歌唱があったり、指揮者をやったり、と愉しませてくれます。圧巻は『エリザベート』特集。大好きな「闇が広がる」で愛音羽麗ちゃん(みわっち)のルドルフに迫る寿美礼ちゃんのトート閣下は、2年前よりずっと悪魔チック(笑)で悩殺ものでした。衣装も美しかったし、長髪ではないけれどもその瞬間、まさにエリザベートの世界へ誘われて鳥肌ものの出来栄え。また、愛音ちゃんはヤラレキャラがもともとやけにハマル男役なので対比が素敵でした。
最後の曲は、X JAPANの「FOREVER LOVE」。Xファンだった私としてはこの曲が流れるとちょっと平常心を失うものがありますが、持ち歌のように歌い上げる寿美礼ちゃんは神々しく見えました。この曲、宝塚の男役にはなかなか丁度良いキーのようで全く違和感無く、非常に気持ちよく響きました。偶然ですが涼風さんが歌ったバージョンも生で聴いて感動したことがあり、宝塚の定番ソングになるのでは?と思ったほどです。
寿美礼ちゃんもYOSHIKIのファンだったみたいですし、昨年のショーではYOSHIKI作曲の歌を大熱唱していたし、何より寿美礼ちゃんを見るとYOSHIKIを思い出すくらい(笑)お顔もソックリなのでなんだか不思議な縁を感じます。たまーに自分の好きだった人が(ジャンルが全然違うのに)思わぬところでシンクロする瞬間があり、そんな時は本当にゾクゾクしてしまいます。
最近、宝塚でもスタンディングで盛り上がるパターンが出てきてて、このコンサートでもアンコールで熱い声援が飛び交い、寿美礼ちゃんも笑顔で涙してました。宝塚劇場ではなかなか見られないちょっとナマっぽいノリが楽しかったです。次は貴城けいちゃん編へ続く。
カッコよいオネエさんは大好きです。
ましてや歌の上手いオネエさんは尚のことたまりません。。。
宝塚歌劇 ミュージカル エリザベートー愛と死の輪舞ー花組版 (ピアノ弾き語り)
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このポスターはちょっと苦手。いつもの寿美礼ちゃんは、もっとカッコ良いのですが。