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雅・処

好きな俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

『間違いの喜劇』〜麗しい女役に驚愕、月川悠貴

演劇 月川悠貴

蜷川幸雄氏の彩の国シェイクスピア・シリーズ第15弾『間違いの喜劇』のBS2放送です。彩の国さいたま芸術劇場のステージでは、蜷川氏がシェイクスピア全作品上演を企画しています。昨年、『近代能楽集』を見に行った時に、この作品の宣伝チラシを見て(サブタイトルに「男だけのシェイクスピア」とあり)ちょっと興味を持ったのですが、なんとなくそのままになってしまいました。


あらすじ:敵地エフェソスの公爵より死刑宣告を受けた商人イジーオンは、身の上話を語り始める。生き別れになってしまった双子の息子と妻エミリア、そして双子の召使を探している、と。息子アンティフォラスと召使ドローミオは、兄を探してエフェソスの町に辿り着くが、そこには同じ顔を持った兄アンティフォラスが妻エイドリアーナ、その妹ルシアーナと住んでおり、召使ドローミオもまた同じ名前で兄に仕えていた。そこで起こる行き違いの数々・・・。


今年2月の公演の舞台中継ということですが、見始めの頃、成宮寛貴君が女装をして話題になった『お気に召すまま』と勘違いしていて、「成宮君、いつになったら出てくるのだろう?」と思って待っておりました(汗)。見始めて20分もすると二人の女役(男優)が出てきます。「うーん、どうやら、違ったようだ・・・。」と気付いたのですが、一声発しただけで私を魅了したのがルシアーナ役の月川悠貴さん。


月川さんが出てきた時に、「この人は確か・・・?!」と思いました。『近代能楽集・卒塔婆小町』で貴婦人役で出演していた方で、パンフレットを読んだとき、”蜷川芝居に欠かせない女役”というフレーズで紹介されていたのです。この演目でも男性が女役を演じておりましたが、出演者の中で一際、こなれた女役で妙に色気を発し、印象に残りました。


そしてこの『間違い』では、肩を大胆に出したドレスを着て、とても華やかな姿で登場しました。激しい気性の姉エイドリアーナ(内田滋)をなだめすかすシッカリ者の妹役。台詞の淀みなさ、上品さ、と繊細な表現力には脱帽。一瞬にして恋に堕ちました(笑)。決して美少年系の顔立ちではないのですが、歌舞伎の女形に通じるような鼻筋スッキリの日本人顔。


それにしてもやはり世界は広い。現代劇でもこれだけ”女役”を上品に演じる若手がいるなんて目から鱗・・・でした。*1ただ顔立ちが綺麗なだけで女役ができる、というものではないので、月川さんのような立っているだけで女の色香を漂わせる存在というのは、貴重です。小栗旬君→月川さんへの求愛シーンなぞ、男を忘れてウットリ。ああ、次はいつ会えるかしら?


そういえばこの芝居で妻エミリア役を鶴見辰吾さんが演じておりました。尼僧姿は、どこから見ても男性そのままでしたが、夫イジーオンに向かって話しかけるときの声は、まさに女性のもの。演技達者というのは、こんなところに出るんですね。男だけの舞台はやはり楽しい(笑)。 


シェイクスピア全集 (4) 夏の夜の夢・間違いの喜劇 (ちくま文庫)

シェイクスピア全集 (4) 夏の夜の夢・間違いの喜劇 (ちくま文庫)


こちらは原作です。

*1:私にとって、女役が素晴らしい男優は非常に価値が高いのです。