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雅・処

好きな俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

宇宙と故カール・セーガン博士の『COSMOS』の思い出

子供の頃、宇宙にとても心惹かれていました。「宇宙」という図鑑の中の星の一生や惑星のイラストにものすごく興味をそそられて、何度も読み返していたのです。


宇宙ってどうなっているのだろう?星って信じられないほどに長生きをするの?と謎はどんどん浮かんできます。地上から見る星は、小さな無数の光の玉にすぎませんが、宇宙の広がりは一体どうなっているのだろう、と考えるだけでめまいが起こりそうで。


やがて授業で学んだ理科や地学。期待した内容とは全く違って、星の満ち欠けや軌道といった、神秘とはかけ離れた知識ばかりでした。プラネタリウムは大好きで、しばしば通ったのですが、そこでも星座の元となった神話の話が主体でした。単に好奇心の向きどころが違っていたのでしょうが、「なんか違う!」と違和感ばかりを感じてました。


高校で入部していた地学部では、太陽観測や流星観測など楽しい経験もできました。特に夏山でのペルセウス座流星群の観測は最高の思い出です。空気の澄んだ山の広場に集まり、寝袋から首だけ出すと、頭上には満天の星空と天の川がくっきり浮かび上がってました。深夜を過ぎると流れ星のシャワーがあちこちに飛びます。


「飛んだ!」と叫んで秒数をカウントし、星座盤を懐中電灯で照らして「○○座から××の方向」などと記録していくのです。やがて流れ星のピークが訪れると、静かな山中では部員達が興奮して声をあげ、夢かうつつか分からないほどの陶酔感に浸りました。ぶよや蚊と闘いながらの観測でしたが、あの楽しさはまた経験したいほどです。

【科学の素晴らしさを教えてくれた番組】


それは'80年のこと、アメリカの1つの番組が私に衝撃を与えました。『COSMOS』という科学番組です。司会兼コメンテーターを務めるカール・セーガン博士は、とても美形!の方でした。


アインシュタイン相対性理論、ブラックホール、古代の哲学者や天文学者の論説等、かなり複雑怪奇な内容もCGや魅力的な映像を使ってできるだけ分かりやすく解説してくれました。原作本も買って必死に読んだものの、やっぱりよく理解できない・・・という部分も多かったですね。


深夜に眠い目をこすりながら、未知の世界の神秘にワクワク、また驚きながらシリーズを見続けました。セーガン博士は、視聴者が目の前にいるかのように巧みに話しかけます。そして、脚本にどこまで書いてあったか不明ですが(笑)、いちいちポーズを取ります。あるときは木に手をかけて振り向きざまに、あるときは岩に腰を下ろして「そこで我々は・・・」と始めるのです。なかなかキザで印象的だったので、当時、友人に向けて博士のマニアックな物真似*1をよくやってました。


記憶はおぼろげになっていますが、いくつか思い出すものがあります。1つは平家蟹の話。西日本の漁師が、平家蟹と呼ばれるカニ(甲羅の形が”源氏に滅ぼされた平家の武者の顔”に見えることからその名がついた)を捕まえると、海に放してやる風習があるそうです。そこから遺伝の話に繋がったのだと思いますが、アメリカ人がよくそんなコアな話を知ってるものだ、と本当にびっくりしました。


また当時、ボイジャーという観測機が太陽系の中を調査していました。土星や木星に近づくと、特番が組まれて、テレビでも生中継されるなど大きな反響があったので覚えている人も多いと思いますが、このボイジャーには「黄金のレコード」が設置されていました。その発案者の一人がセーガン博士で、このレコードには世界各地のあらゆる言語での挨拶や自然音、動物の鳴き声、名曲の数々などが吹き込まれていたのです。


「ボイジャーはやがて太陽系を飛び出て、永久に宇宙を漂う日がやってくる。その時、どこかの星の高度な知能を持つ知的生命体に解読してもらって地球というこの星のことを知ってもらいたい・・・」


そんな夢と希望を載せていたのです。その発想の豊かさ、子供のような無垢な遊び心を持つ博士の発案に感動し、尊敬の念を抱きました。この世の中には、知らないこと、分からないことがいっぱい溢れてますが、たとえ全てを知ることが不可能でも、知る過程を楽しめたらいいのじゃないか、そんなアドバイスをしてくれた、面白くて感動的な番組でした。


Cosmos (Collector’s Edition) [DVD] [Import]

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こんな優れモノが発売されていたんですね。◆2012.7.29追記:完全収録、リージョンフリー(日本語字幕付)との記載だったのですが、最近のDVD-BOXは、日本語字幕無しでブルーレイ機での再生ができませんでした。(PCでは見られます)

*1:番組を見てない人には何のことか絶対分からなかったでしょうね(汗)。