雅・処

好きな俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

ドラマ『氷点』  昭和の人気作品リバイバル

GWも中盤ですが、今のところ家でノンビリと(というかダラダラと)過ごしています。溜めに溜めてしまった録画をどんどん見まくり中なのですが、欧米発海外ドラマがかなり面白い。「4400」のシーズン3もスタートしましたし、単発で放送される秀作&問題作の海外ドラマもてんこ盛りです。


そんな中、日本モノとしては、昨年末に放映された『氷点』をようやく通して見終わりました。題材が暗い話なので、なんとなく前編・後編で4時間近い内容を見続けるのがしんどく、かといって気にもなるのでずっと保留していたのです。もう一つの理由は、キーパーソンである夏枝役・飯島直子さんの”悪意に満ちた笑顔”があまりに怖いので(笑)、「こわ、こわ〜」と怯えていたからというのもあります。


原作は三浦綾子さんの同名小説。だいぶ前に本も読んでいたので、最初のほうのエピソードは大体覚えていました。「人は、愛する人の罪や裏切りを赦せるのか・・・。」というような重いテーマを扱った秀作だと思います。とはいえ、たった一つの家族の中で起こる様々な愛憎と葛藤の描写が息苦しいほど濃密で、後味もまた複雑なものでした。


あらすじ:病院長である辻口が留守中、3歳の娘ルリ子が佐石という男に川で殺されてしまう。それは、自宅で妻の夏枝が医師・浦井と浮気中であったため、ルリ子から目を離したことがきっかけだった。それを知り復讐心に駆られた辻口は、留置場で自殺を図った佐石の実の娘を引き取り、夏枝に育てさせることを決心する。その子は陽子と名づけられ、辻口一家の中ですくすくと明るく素直に育っていく。しかし、やがて事実を知った夏枝から猛烈な”継子いじめ”を受けていく陽子。その出生の秘密を知った陽子は、自らの命を絶とうと決意する。

【ドロドロの愛憎劇と救い】


決して、この手のドロドロとした愛憎劇は好きではないのですが、「家族」という閉塞した世界の中で、表面的にはお互いを愛し信頼していながらも、誰もが心の奥に闇を抱えている、そんな様を描き出しているために共感させられてしまうのかもしれません。愛が一転して憎しみに転換する一瞬なぞ、なまじ関係が近しいだけにリアルな怖さがあります。


それにしても辻口の身勝手な復讐のために、引き取られて一方的にイジメられる陽子にとってはエライ迷惑な話です(苦笑)。裕福な家でありながら、給食費を出してもらえないわ、学芸会の服を作ってもらえないわ、という嫌がらせがどんどんエスカレートしていくのです。彼女は、継母の理解不能な悪意に気付きながらも、健気に耐えぬき、幼くして牛乳配達を始めるのですが、その純粋さタフが一層、夏枝を怒らせていきます。


陽子の少女時代を演じるは、現在の名子役・森迫永依ちゃん。素朴な愛らしさととろけそうな笑顔がチャーミングで、それが一転、「お母さん、陽子のこと嫌いになったんだ・・・」と言って涙をこぼすところなど、「その子、いますぐ私にちょーだい!」と言いたくなるほどのラブリーさです。あまりの達者さに石原さとみちゃんにバトンタッチした途端、表情が少なくなってしまったかな〜と思ってしまうほど。


さとみちゃんについては、デビューしてまもなくの写真を見たとき、非常に印象に残り、イイ線いく素材だと思いましたが、いかんせん演技力はまだ不安定でハラハラするところもあります。ただ、全体的にはこの難しい役をなんとか頑張っていましたし、出生を知って号泣するところは体当たりでなかなか見せてくれました。昭和中期のまだどこかおしとやかな物言いが残ってる時代なので、清楚なイメージはちゃんと漂わせていましたし、表情が固まった時には厚い唇が救ってる、ということで(笑)。


陽子を陰ながら守り続ける兄・徹役は、NEWSの手越祐也君。実年齢的にも大学生役で合ってるのですが、童顔なのであまりに少年ぽいムードだったのが残念。おぼっちゃん役なので、あまり野生的でなくていいかもしれませんが、包容力という面ではちょっと物足りなく思いました。やっぱりこのドラマは大人達のほうが見どころ多いかもしれませんね。


更に最近、私の中で急上昇中の北村一輝さんがまたもややってくれてます(笑)。彼の人物像には共通の特徴がありますね。とんでもないワル*1でありながら、「ひょっとしてイイ人?」と思わせるテクです。そんなときは、独特の甘えるような瞳がビームを発射し、命中すると思わず「うう、やられた〜!」とクラクラさせられてしまうのです。やっぱり好きになりそう、ヤバイ。。。


他にも竹下景子さん、賀来千賀子さん、岸本加代子さんなどベテラン女優が脇を占めていて、なかなかいい感じでした。いやいやそれにしても最初から最後まで、飯島直子さんのオソロシイ笑顔に尽きました、このドラマ。飯島さん、この先はこの路線で血も凍るような演技を見せ続けて欲しいほどです。


ドラマの最後に流れたのがリベラの「アヴェ・マリア」。アンドレ・ギャニオンの音楽も芝居で良く耳にしていただけに妙に身近に感じるドラマになりました。


氷点 DVD-BOX

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今回のスペシャルドラマのDVDです。


氷点 -昭和41年放送版- [DVD]

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昭和41年のテレビドラマ版も完全復刻されていました。最終回は伝説の高視聴率だったそうです。


氷点 (上) (角川文庫 (5025))

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原作本です。「続・氷点」もあります。

*1:今回の役も、大変な自信家で女たらしのイヤな奴です。