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雅・処

好きな俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

改名騒動(2) 名盗人の悲哀

戻ってきて早々、PCを開くとやっぱりというか、Versailles改名騒動がネットで大々的に報道されていましたね。それにしても、このバンドの今現在の人気規模を考えると、ちょっと戸惑うほどの扱い。良くも悪くも注目度が高くて大変だなあ、と思ったり。


今になって少しずつ、アメリカ本土のVersaillesというアーティストについて情報が増えてきました。バンド形式をとってる女性シンガー(キーボード・ギター奏者)で、2002年にデビューしているので6年近いキャリアがあるようです。ニューメキシコから活動を始め、現在はLA在住。ジャンルはオルタネイティブ/ロック/ゴシック。


公式サイトは、作成中のため、MySpace(コミュニケーション簡易サイト)が代用されています。このMySpace登録日が2004年6月5日。要は、日本のVersaillesよりも活動開始時期は早いのです。やはりその意味では、後から名を語った”偽者”どころか”本家”さんだったわけですね。問題は、バンド名のCOPYLIGHTを取得した日です。

July 23, 2008 - Wednesday

Versailles name is now Federally trademarked with the United States! So happy!

 ベルサイユという名は、今、アメリカ合衆国連邦政府によって商標登録されました! とても幸福です!


というコメントがあります。今年の7月23日に決定がおりているということは、おそらく申請がそれから数ヶ月前に遡るとしても、アメリカ人の彼女は、Versaillesという同じ名前の日本のバンドの存在を知ってから、何らかの憤りを抱いて法的措置を講じた、と考えられます。


無名のロックバンドがたまたまアメリカに来てほんの一瞬広告した、だけならそんなに深刻になる必要はないはず。日々、知名度が上がってきているVersailles(日)に脅威を感じる部分もあったのでしょう。そしてまさにそこが両者にとって不幸でもあったことです。


彼女(あるいは近い関係者)としては、自分の方がキャリアが上で尚且つ活動中のアーティストとして、権利侵害を見過ごすことはできなかったのでしょう。まず最初に日本側へ紳士的(というか淑女的かしら)に申し入れをして、調停をするといった手間のかかる手段は講じないで、一方的に「バンド名使用禁止」を通告するという高圧的な態度に出てしまいました。


今のところ、Versailles(米)の言い分は、『私は「Versailles」という名前を6年間も使用している。そのことを知っていた(と彼女は思ってる*1)にも関わらず、日本のバンドが使い続けたことは非合法的である。アーティスト名には、多大な労力や投資がかかっており、このようなクリエイティブ(創造)は、もはやビジネスなのだ。』 


他にもこれらの発言の根底には、検索で彼女の名前ではなく日本のビジュアル系バンドが数多く引っかかってしまうことや、名前を勝手に「盗まれた」こと、アーティストの利権*2を脅かされたこと、などが隠されているのでしょうか。

【真の勝者はいない】


対するバンドのほうでは、全くの「寝耳に水」の事件だったため、一時的にせよ強い憤りと被害者意識を感じ、やがて悲しみと無力感にも襲われたことでしょう。


しかし、冷静に考えてみれば、アメリカでの活動を前に、真っ先にバンド名の重複がないか、をチェックしなければならなかったわけで、気の毒ではありますが、マネージメントの片手落ちと言わざるをえません。そこが「なにやってるんだ〜!(怒&涙)」と思ってしまうところです。


MySpaceでは、現在Versailles(日)の海外ファンからVersailles(米)へあてて、かなり感情的なコメントの嵐が巻き起こっています。そこで書かれたことを読んでみたのですが(ちょっと行き過ぎの感はあるものの)、「ナルホドそこが問題だったのかあ」と目からウロコな部分もありました。



「あなたは、同じ名前をシェア(共有)することで得るはずだった数多くのファンを敵に廻しました。」
「世界中の数千人*3のバンドファンの怒りをかっています。」
「フランスの町や城の名前を商標登録するアーティストがどこにいるのか。」
「彼らは、英語を全く理解できないのです。*4
「MySpaceは、日本ではメジャーなサイトではない。そこにあなたのサイトが先にあったからといって、何故日本のバンドがすでにアメリカに同名のバンドがあると認識できるのか。」
「アメリカ人ですら知らない無名のアーティストを日本人が知ってると思うの?」


Versailles(日)への愛の深さに感動する反面、なんだか余計に切ない気持ちにもなってきます。二つの悲劇が「そういえば、そんなこともあったよね」と語られる日が来るように、Versaillesには、是非ともグレートな新バンド名をつけてもらって、復活して欲しいものです。


※8月20日付で、Versaillesのアメリカイベンター(Tainted Reality)にも、バンド名変更の告知が出ました。日本と同様にバンド名募集もかけてますので、ワールドワイドに公募がされたわけですね。いやはやすごい時代です。

参考サイト:Versailles | Believe | CD Baby Music Store

*1:MySpaceにすでに実在していたVersaillesという名称の存在で気付くはず、という認識のため。

*2:既に発売されている数枚のCDの収入、音楽配信、広告収入等

*3:あまりにリアルな数字でちょっと笑ってしまいましたが

*4:真実だけに笑えないなあ。