雅・処

好きな俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

スタジオライフ「PANZY MAZE」観劇記

意味不明な芝居に、ウーム・・・

劇団スタジオライフの若手公演『PANZY MAZE』A楽を見てきました。たった1回の観劇、それも千秋楽というのは、初めての経験かもしれません。役柄は、大部分シングルではありますが、ダブルキャスト青木君主役のほうだけ見ました。そして何より、ライフの劇で最後まで芝居の趣旨が掴めなかったのは初めての経験でした。


終わって「え?!これって何が言いたかったの?」と友人達に問い合わせても、3回見ても意味不明だった、という恐るべき回答がきたので、逆に「私だけじゃなかったのね・・・」と変な安心を覚えたほどです。脚本家の倉田さんオリジナル、ライフ旗揚後まもない頃の古い作品で、まだ女性劇団員がわずかに残っていた時代のもの、だとか。


あらすじ:主人公30歳のOL吉田幸子は、日々追い詰められていた。会社では、若いOL達に”お局”扱い。男性社員にも煙たがられ、話が合うのは同じ「行き遅れ」仲間の道子だけ。高校時代の憧れていたコーチとの思い出を忘れられず、いくつかの恋をしたが、今は課長と不倫する惨めな生活。そんな自分にも苛立つ日々、ふと現れたコーチの面影を追って、時間の迷路に入りこむ。。。


倉田さんも書いてる通り、時代背景自体、めちゃくちゃレトロな昭和です。初演の時の幸子の年齢設定は、25歳*1だったらしく、その後30歳へ大幅アップするも、今となれば「30歳」ですら、「まだまだこれからよ!」なんて言われなくもない。それはともかく、幸せを見つけられない迷い子、幸子の切羽詰りまくった感情に、何か身につまされるものがあって実に”イタイ”台詞が溢れておりました。

【観客も迷路に迷い込んだか】


青春群像劇?の「WHITE」とも共通しますが、時間の迷路の中で出てくるテンション高い登場人物を、若手劇団員(主にジュニ9)が汗だくになって演じているのが、もう一つの見どころなんだと思います。ただ、この幸子の”白昼夢”の中に次々出てくる人物達が一体何を言いたいのか、どこに導きたいのか、矢継ぎ早に流れていく台詞に流されて、チンプンカンプンでした。


演技力の問題もあるとは思いますが、それ以上に台詞から伝わるニュアンスが少なすぎて、受け流すしかないような状態。挙句の果てには、キモ(?)となる門番の台詞で睡魔に襲われてしまう大失態をおかしてしまいました。ちゃんと聞いてても分からなかった、という友人達の言葉に慰められたものの、なんだか消化不良で参ってしまいました。


最後に幸子が腐って悪臭を放つ鯉にかぶりつくシーン。「鯉=恋」のことなのかな、と彼女は自分の過去に必死にしがみつくことを止めて、本来の自分をまるごと受け止めたのかな、なんて思い巡らせながら見ていました。ついつい答えを求めてしまうクセがついておりますが、混沌もまた真なり、なのでしょうか。頑張ってる役者達に触発されるものもあったので、決して無駄とは思いませんが、いつもより疲れは感じてしまいましたね。


楽にしては空席が目立つ客席と静かなリアクションが観客の戸惑いを現していたような・・・。それでも日替わりゲストシーンは盛り上がりました。私の時は、船戸さん演じる「ランボー」娘。ストレートヘアのかつらに、いつもよりデフォルメされて外人のような彫りの深い、というか濃いお顔(笑)。そして無駄にボインちゃん、という姿で、てらいもなく女を堂々と演じる船戸さんに笑いの渦。


客席に見に来ていた及ちゃん(及川健)は、夜の大楽ゲストだったそうですが、縦ロール鬘をつけてやりたい放題だったらしい(笑)笠原さんのゲストシーンも見たかったです。先輩達が繰り広げる、贅沢なお遊びシーン。ギリギリで復活した仲原君の爽やかなコーチはとても良かったですが、代役だった曽世さんのエロモード?も別な意味で見たかったです。

【劇団員あいさつ】


千秋楽を見なくなって久しい*2ため、劇団員の挨拶も久しぶりに聞きました。最初はジュニ9達。いまだに本公演にもパラパラとしか出てないので、顔と名前が一致しない状態の彼ら。ただ石飛さんがフォローしたように、舞台狭しとパワフルに動き回る倉田オリジナル作品を(WHTIE、TAMAGOYAKI含め)3つも演じた新人達というのは珍しいらしく、それが彼らを一つにまとめている由縁なのかな、なんて。


大体入団して1年もしないうちに、半減する新人劇団員(フレッシュ)に慣れてしまってるので、派手さには欠けるが地道に続けてる彼らはなかなか見どころがあるのかも、なんて。緒方君が「次世代を担う・・・」を連呼していたり、倉本さんが「もう次世代を担えないかも・・・」と弱弱しく語りだすのを「そんなことないよ」とばかりに首を振る石飛さんが可笑しかったですね。


なんとかギリギリ間に合った仲原君は実は盲腸だったとかで、やや青白い病み上がり顔。「もっとやりたかったー!」と本音を吐露後、さらに「青木さんを引っ張っていくつもりが逆に引っ張られてしまって・・・。」と恐縮していました。吉田君は、いつもライバルなどいがみ合う立場の多い、青木君や関戸君と今回は同僚で楽しく話せて嬉しかったそうです。


吉田君の小人役は、ちょっとギョットするような井出たちで「何もここまでしなくとも」と思ったりもしたのですが、笠原さんが開眼した役だったと聞くとまたちょっと別な思いが湧きますね。OLの扮装で青木君と吉田君が並んだ時は、妙に筋肉質のふくらはぎに目がいってしまいました。女役を”自然体”で演じる二人と、その生々しい脚が、見事なコントラストを描いていて(笑)。


青木君は、珍しく長々とコメントしていました。新人達の頑張りをアピールしていたり、とても先輩らしく頼もしくなっていて感心。まだ青木君がフレッシュ時代は、芝居を離れた途端オドオドしまくり、先輩にマイクを向けられれば今にも泣きだすんじゃないか・・・とドキドキさせられたナイーブな若者(劇団一の不思議ちゃん(笑)でもあったし)だったことを思い出して、月日の流れの恐ろしさ、を体感したものです。

萩尾望都原画展にて】


帰りはその足で池袋西武の「萩尾望都原画展」を見に行きました。カラー二色刷りって原稿の段階から作家自ら色をつけるんだ~と初歩的な事実に驚いたり、繊細な筆致と色使いの美しさ、芸術性の高さに感嘆。一番の感動はやはり「トーマの心臓」の原画。しかも冒頭のトーマ自殺のカットにちょっと震えが走りました。30年前の時代の空気まで原画に閉じ込められていて感動的でした。


キャラクターイメージのビスクドールや、スタジオライフの上演作品の衣装類なども飾ってあってなかなかの盛況ぶり。いよいよ来春に控える「トーマの心臓/訪問者」の連鎖公演チラシを配る荒木君。シュロッターベッツ制服姿が違和感ありませんが、よく考えると彼は”ちびオスカー”役なんですよね。生粋の萩尾ファンには、目に入らなかった・・・かしらん(笑)。

*1:→売れ残りのクリスマスケーキ、なんてたとえもありましたね。

*2:地方から駆けつける関係で、入手困難の楽チケットは諦めざるを得ないのです。