雅・処

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チェリまほ 驚きの海外進出(怒涛の世界配信)

国境を楽々と超えるBLドラマ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」

現在、全12話中10話が放送されたチェリまほ。ドラマが佳境を迎えると共に、話題も人気も急拡大している様相です。木曜日深夜の放送直前に色々なニュースが投稿されるのは以前からありましたが、最近は週明けくらいから情報が投稿されるようになってきました。


今週は、怒涛の展開。12/25のTSUTAYA プレミアムのスピンオフ2編の詳細も明かされましたし、10話のデート練習の未公開SP動画、町田啓太君の写真集5万部突破!など、あれよあれよの大盛り上がりです。


(おそらくですが)深夜のBLドラマと侮って、なかなか日本のネット記事は本数が少なく(特にメジャー系)、「全くどこ見てんだよ、『鬼滅の刃』ばかり追っかけてるんじゃないぞ」という気分でおりましたが、ようやく記事も増えてきました。


「チェリまほ」がBLの域を超え非常に完成度の高い恋愛ドラマであること、役者の魅力が詰まってる、演出・音楽・映像なども、お金をかけたゴールデンタイムのドラマを遥かに凌ぐクオリティであることなど、一部のドラマ通には当初から分かっていたと思います。


にも関わらず、海外のほうが遥かに飛びつくのは早かった。大手事務所の顔色を窺って忖度したり、情報の発信力が低かったり、はたまた男性目線で相変わらず素人はだしの若い姉チャン追っかけてるオッサン文化だったりで、日本メディアの劣化をしみじみ感じました。


あととにかく数字とか分かりやすい指標が大事みたいですね、メディアの人達は。視聴率、Twitterトレンド1位、部数、売上、とかそういう分かりやすい指標がないと流行の本質を見抜けない。ちゃんと自分の目で見ろよ、て言いたくなります。


上に挙げた指標以外で「チェリまほ」がこれまでの他のドラマと著しく違う点は、外配信という新しいトレンドに乗ったこと。もちろん今までのドラマでも、日本で評判になり、海を渡った作品は沢山あります。


特にアジア圏だと、何年も前から韓国や台湾など正式な日本ドラマチャンネル(配信サイトも)がオープンしてますし、ここ数年は、どんどん日本の本放送と時間差も無くなってきています。最近では「半沢直樹」が話題になっていたとか。


相変わらず海賊版や違法ダウンロード、無料動画サイトへの違法アップロードも続いていますが(汗)、そういう負の側面も含めて日本のドラマが海外で広く見られているのも事実ですね。


そういった波に始めから「チェリまほ」は、目を向けていたというわけではないでしょう。1~3話くらいまでの初動で一気に口コミ人気がアジア圏で広がり、タイのBLブームと相俟って拡散され、海外のファンからの熱い反応がムーブメントとなっていったのです。


TVしかない昔だったら、まずこの拡散の速さは有り得なかったでしょう。(まるで光の速度か、と思うほどの早さ)権利関係の整理やら吹き替え&翻訳などの業務と海外との折衝にかなり時間がかかって、放映される頃には旬も過ぎてたに違いありません。


また仮に海外で成功したとしても数ヶ月あるいは数年経って「あの時のあのドラマは凄かった」みたいな声を聞くような状況でした。山口百恵主演の「赤い疑惑」(中国で成功)、「おしん」(中近東~アジアで大ヒット)など。

チェリまほの全世界展開


現在のところ、チェリまほの配信エリア(正式契約のみ)は、下記の通りです。

①台湾(2020/10/08 KKTV配信開始)
②タイ(2020/11/19 WeTV配信開始)
③フィリピン(同上)
ベトナム(同上)
⑤香港・マカオ(2020/12/11 Hmvod配信開始)
⑥韓国(2021/02/11 watcha配信開始)
 韓国(2021/02/10 チェンネルW放映開始)
⑦アジアを除く世界の国と地域


チェリまほの正式海外配信は、台湾KKTVが最初のようです。ここは日本はじめアジア圏の人気作を放送するチャンネルで、以前から日本のドラマを多数配信してます。


なので経験豊富ですし、ヒットを目論んだわけではなく、いつものドラマ群の一つとして放映していたんだと思います。時差もほとんどないくらいリアルタイムに近い配信だったと思います。


いくつかのマスコミでチェリまほが中国で人気、と紹介したり、日本の関係者が中国語(簡体字)でTwitterを書いたりして思わぬプチ炎上になったようですが、台湾の人達に言わせると「アイツらは不法視聴してるだけなんだから相手にすんな」という気分のようです。


その気持ちは大いに分かりますね。政治音痴の日本人にはピンときませんが、昨今の複雑な政治問題も色濃く影響しているようです。結局のところ、日本側でも(公では)権利を購入して正式に配信している国の人々には堂々と感謝を述べられます。


ただ、実際にはそこから外れた国にも沢山のファンがいる。役者にとっては、どこの国のファンだって自分を応援してくれるファンに優劣はつけたくないのは、当たり前です。そこのジレンマはなかなか解消できないかもしれません。悩ましいところです。


しかし今後は、世界中の視聴者を惹き付けるNetflixのようなメガサイトが勢いを増してくるでしょうから、国を制限した視聴に拘らなくなるのは時間の問題かもしれません。


日本も本気で海外進出したいなら、あまり肖像権・著作権関係にこだわり過ぎてもだめで、ひとまずYouTubeなど無料動画サイトにアップしてファンを増やす方向にも舵をきらないといけないとは思います。タイBLが世界中であれほどヒットしてのは、そこの違いだったようですからねえ。


文化の異なる海外のファンに自粛警察ばりにあれこれ制限をかけるって法律的には有でもこのワールドワイドな時代には、ちょっとダサいし、流行に水を差すことでもあります。ある程度おおらかに感謝を持って接して欲しいものです。


さて台湾に続いて、11/10には、WeTV(中国系配信サイト)でタイ・フィリピン・ベトナムの配信が開始されました。やはりBLブームでファンを多数持つタイは早かった。初期の段階でテレ東も海外との交渉を明かしてましたが、おそらくWeTV だったのではないでしょうか。


日本で放送済の1~6話までを一気に配信すると同時に、ドラマでも神回と言われる第7話を1時間遅れ(?)で有料会員VIP向けに配信するという電光石火の神業を見せてくれました。あまりの行動力の速さに慄くほど。


とかく融通の利かない日本のTV関係者には、爪の垢でも煎じて飲ませたいくらいの素晴らしさ。さすが、若くてどんどん国力も発展している国だけあります。スピード感が違い過ぎます。



最近では、タイの若手俳優さんや有名ディレクターなどもチェリまほを見てる、というアプローチをしてくださってるとか、本当にありがたいことです。そして昨日(12/11)には、香港でも正式配信決定。


更には、クランチロール配信(今回初めてこの存在を知りました)も決定。こちらは、もともと日本アニメの配信から派生し、200以上の国と地域に有料会員300万人、無料登録9000万人という破格の視聴人口を持つメガ配信サイト。


すでに提携しているアジアの国と日本を除くそうですが、それでも主要言語の翻訳も入れて欧州・中南米アメリカなどのエリアに到達するというのだからすごい。もう全世界配信状況下にある、と言ってもいいかもしれません。



残るは、BL文化そのものを国として非推奨しているため(その割には美形中国人俳優のBL作品多数あるのは何故だろう?)、違法でしか鑑賞できない中国と正式契約をしていない韓国(その後正式配信決定)くらいかな。


そもそも中国は少し前にBL小説を発行したアマチュア作家を逮捕した、なんて物騒な国ですからね。


韓国もキリスト教勢力が強く、BLや同性愛のドラマは地上波で放映されるのが相当にハードル高いらしいです。また、庶民感情的にも(BLに抵抗の少ない一部の若者はともかく)、日本以上に反発が強いらしい。


にも関わらず、世界的流行を無視できずに配信用のBLドラマを作り始めてるそうですから、日本以上に節操ないなあ(苦笑)と思ってしまいます。「世界一のドラマ好き」を自負してる韓国なので、このまま前時代的な違法アップロードで陰ながらに楽しむのかな?と。


ドラマーコリア(会社設立当初に2018おっさんずラブを買い入れ&放映した)で、まだ明かしていない正式配信ドラマの1作がもしかしたら「チェリまほ」かしら?と思ったりもするのですが、基本的に新作購入重視なので、果たしてどうかしらん


それにしても、「日本だけで有名な役者」を使って戦略を練って作品作りをしたとしても、宣伝費&制作費をいっぱいかけたとしても(たとえ日本で当たったとしても)世界中の視聴者のハートを鷲掴みにできるかどうかは分からないものですね。


全くそんなこと夢にも思わなかったであろう、無欲のテレ東制作スタッフ(かつて数々の話題作を手掛けてきた大映テレビが入ってるのはミソかも)と、決して有名とは言えなかった出演役者達が、みずみずしく全身全霊の演技でしっかりと魅せてくれた「チェリまほ」。


当たり前のこと当たり前に、一つ一つを大事に、漏れなく映像化している、ドラマの隅々にまで作り手の想いが届いてることが否が応でも伝わってくる。そして、それが驚くことに海外の視聴者にも敏感に伝わってるのがすごいんです。


海外では、「チェリーマジック(CherryMagic)」と呼ばれて愛されているこの小さなドラマ。本当に小さいけど深夜の奇跡を起こして、世界中の人々に魔法をかけている。この信じられないミラクルをこれからも追い続けてみたいと思います。


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