雅・処

好きな俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

ハードボイルドBLの誕生「ダブルミンツ」

先週、シネリーブル池袋(ルミネ8階)で映画「ダブルミンツ」を鑑賞してきました。池袋メトロポリタンがルミネに代わって、映画館の場所もよく分からず、朝の唯一の上映に間に合うか、ハラハラしました。ルミネはまだ開店ではなかったのですが、なんとか中央のエレベーターを見つけて無事到着。


6/3が初日だったので、ギリギリ間に合って良かったです。地元でも、公開が決まったのでそこまで必死にならずとも良かったのですが、なにせ8/25からということでまだずいぶん先の話だったので。こじんまりとした映画館でしたが、平日の午前中ということもあり、あまり人がいなかったので集中して見られました。


予告編から大体の雰囲気は掴んでいましたが、そのムードを大幅に崩さない出来でした。物語としてまとまりがありましたし、野郎ばっかり(笑)、しかもヤクザもの、でありながら、主演の二人以外にも色っぽい役者を置いただけあり、違和感なく見られました。


最近、ようやく中村明日美子さんの原作コミックを読んだのですが、淡泊で繊細、上品な筆致で構成されていました。映画はちゃんと原作を踏襲しつつも、骨太な味付けをつけているところが印象的でした。やはり男性の監督というのもあるのでしょう。物語として破綻しないように、いくつかの要素を足して現実的にしている感じなのです。


映画を見た感じだと、黒ミツオ・市川光央(田中俊介)と白ミツオ・壱河光夫(淵上泰史)の愛や共依存の関係はあからさまには分からないのですが、黒ミツオから白ミツオへの暴行や高校時代の女の子を介した2人の情欲シーンなんかを見ると、ストレートな濡れ場よりも「うわっ」と胸にくるものがあり、なかなかうまいとこで表現したなあ、と思いました。

【ハードボイルド、男くささとBLの絶妙なバランス】


以前のブログにも書いたように、淵上さんにはプチファン状態なので「素敵」とハマるのは当たり前(笑)ですが、今回が初主演ということで驚きました。もともとデビューも27歳と遅かったそうなので(元サッカー選手)、そう考えるとそこまで下積みの苦労という感じではないかもしれませんが、30代を過ぎてから本格的に人気や実力が出る人は限られてくるので、やはり磨き上げてきたご本人の実力と魅力故だと思います。


いやあ、それにしても、あの”桃”をかじりながら黒ミツオが××されるシーンを見つめる眼がめちゃくちゃ色っぽくて、絶対忘れられないほどのインパクトでした。嫉妬なのか、悲哀なのか、同情なのか、全ての感情が入り混じったようなあんな目で見られたら、卒倒してしまいそう。やっぱりこの役、淵上さんで良かったなあ。これだけの色気を持つ役者ってなかなかいないですし。


今回初めて知った、田中君の方もかなり集中して見ていました。主演を打診されてから、原作を読み魅了され、並々ならぬ覚悟で挑んでいたこと。パンフレットやネット記事でも知りましたが、この映画のために1年をかけて役作りをして体重を14キロも落としたこと。確かに演技にはまだ不安定な部分もありますが、役に心血を注いでいる感じは半端なく迫力がありました。


それにあの原作を読むと、やっぱりBL的濃厚な絡みも描かれているから、それを見てひるまなかっただけでもキミは偉いよ!(笑)高校時代を演じた須賀健太君も子役時代から好きな少年だったので、あの可愛いマスクに似合わないダークな存在にもうゾクゾク&ワクワク。


更に思わぬ収穫は、脇役として出演されていた、佐伯役の小木茂光さん。何を隠そう一世風靡SEPIAの大ファンだった私にとって、20代前半の若さ(メンバー内最年少)でリーダーをされていた「シゲさん」に思い入れは人一倍あるのです。コンサートも何度も見てますし。あの当時から全く変わっていない風格と安定感。


そしてあの年齢でありながら、小木さんは、とてつもなくダンディですね~。決してBL的な色っぽさではないので、キスシーンとか別になんとも思わないのですが(おいおい)、トータルバランスが良いというか、スーツが異常に似合ってたまらない男の色気があるのです。


元メンバーの柳葉敏郎氏や哀川翔氏は、若い頃はカッコいい”尖ったお兄ちゃん”でしたが、今じゃあちょっと芸能人臭が強くなって、あまりダンディでなくなったのに比べ、小木さんはやっぱりダンディ。


小木氏の出番も原作よりはるかに多くなって、ヤクザの世界観を練り上げていましたし、中岡刑事を演じた高橋和也の存在感も素晴らしかったです。「そこのみて光輝く」での悪役ぶりなんかも最近見ていたので、張り付いたような笑顔が敵なのか味方なのか分からない不気味さ、が真に迫っていてゾワゾワしちゃう感じ。


全体的に、日本映画らしい小ぶりな世界の中で起こった絵空事のようなお話なのですが、実写BL映画の進化系という実験的な要素がフンダンにあって楽しめました。これも絶対DVD買いたいですね。


今流行りのクラウドファンディングでも、たった1日で予定額到達、という記録を打ち立てただけあってかなりお金も集まったようですし、成功したことでまた新たな道が広がるといいな、と思います。


cinefil.tokyo

今年1番の期待の映画「武曲」 堕落しきった綾野剛の破滅的な美しさ! - 雅・処
→ 少しだけダブルミンツに触れています。

一世風靡SEPIAの思い出(1) - 雅・処


ダブルミンツ (EDGE COMIX)

ダブルミンツ (EDGE COMIX)

今年1番の期待の映画「武曲」 堕落しきった綾野剛の破滅的な美しさ!

ずっと待っていた作品は、間違いなく綾野剛の代表作になるでしょう

昨年の『怒り』公開時にあちこちで目にしていた綾野剛君のむさい長髪と髭面。その時から、ずっとずっと見たいと期待していた『武曲』の初日公開を地元の映画館で見てきました。今のストレートヘアの剛君のビジュアルは史上最強に好きなので、生の舞台挨拶見たかったなあ・・・(涙)。


それでも映画自体を静かに堪能できる喜びもなかなかのものです。私同様、一人で見に来ている年代の高めの観客が多かったです。ストーリーは、「剣を通して対峙する二人の若き男の物語」と「愛し憎んでいた父親を自分の手で廃人にしてしまった男の苦悩」という大きな柱があり、そこから見事にブレません。現代版サムライのお話とも言えますし、父への愛に飢えて彷徨う男の物語でもあり。


まずはこの映画、幼少期から父親の厳しい稽古を受ける矢田部研吾(綾野剛)の回想シーンから始まります。どこか郷愁をそそるような古びた映像の中で、コーチ時代の研吾が登場し、”事件”もすぐに起こります。その後、ライブハウスでラップを歌うイマドキの高校生・羽田融村上虹郎にシフトして、柄本明さん演じる禅寺の住職による導きで、二人の因縁の関係が始まるという内容。


すごくシンプルだけど、ずっと苦しみを抱え、すべてから逃げ続ける研吾の魂が救えなさすぎて、目が全く離せない状態です。酔いどれ、足もふらつきロレツもまわらず、視点も合わないような不気味すぎる研吾が、どうしようもないのに愛おしく、哀しく、時に美しくすら見えることに驚きがありました。絶対そばにいたら嫌だろう、ってタイプ(笑)なんですけど、こんなに感情移入できる役どころは綾野剛の作品の中でも初めてかもしれません。


剛君が「演じる」ということにストイックすぎる体質なのは折り込み済ですが、役柄として本当に心に迫ってくるのは、まっすぐ生きたいのに生きられない、そういう不器用な男を演じた時が1番かもしれませんね。『そこのみて光輝く』の達夫役もかなり魅力的でしたが、研吾は一層ダメダメすぎて辛すぎる男なのに、こんな痛ましく美しい男は初めて見た、という感動がありました。


父親ゆずりのピュアな眼差しを持つ、虹郎君にも目が引き付けられましたね。精神統一して木刀を振る姿は、まさに神々しい「美少年」ぶり。若かりし頃の研吾はきっと融のようなまっすぐな視線を持って剣の道に邁進していたのだろうな、と思います。それにしても、二人とも剣道初心者とは思えないほどの達人ぶりで、この映画1本に賭けるエネルギーのほとばしりがすごかった。


2017年の綾野剛は、この作品1本で完了、でも後悔なしの満足度です。漫画原作の『亜人』や二宮君と共演の料理映画もありますが、それは見るとしてもオマケみたいなもの。どんなに有名&人気俳優になっても、『武曲』みたいな地に足が付いた、泥臭い映画は年に1本くらい演じて欲しいです。日本映画ファンとしても至福の1本でした。


電波ジャックして、愛想の良さを振りまいてる綾野剛も可愛くて好きですけど、どこか演出がかって見えることもあるんですよね。(もちろん本性は出せないわけですし。)でも、やっぱり役者としてどれだけ自分に向き合って魂を震わせているか、って作品が出てきて初めて分かります。本当に今回は、「誰だ、オマエ!」というくらい、お初にお目にかかる綾野剛でした。


それにしても言葉に言い尽くせないくらい、すごい、すごすぎて怖いです。こんな演技しちゃったら、もう他にどんな演技があるわけ?と不安になるくらい、超怪物ぶりの剛君でした。


武曲 (文春文庫)

武曲 (文春文庫)

原作本、読みたいですね。

movie.smt.docomo.ne.jp

6/3 「ダブルミンツ」も早く見たい!

『武曲』と同日にもう1本の話題作が公開されました。BL界の巨匠、中村明日美子さん原作『ダブルミンツ』の実写化。漫画実写の映画は基本的に嫌いな私ですが、BLはその範疇外。あまり原作を知らない上に、物珍しさもありますし、中村さんみたいなかなり個性的な作家の作品がどうなるか、とても気になります。


この映画で最も気になっているのは、淵上泰史さん。安達祐実ちゃんの花魁映画『花宵道中』で相手役を演じておりましたが、そこで見せてくれた匂い立つような男らしさに惚れました。ちょっと陰を背負ってそうな存在感にも味があって、またぞろ30代中盤の色香を発散しています。


相手役の田中俊介さんは、名古屋発男性アイドル・ボイメン(BOYS AND MAN)のメンバーだとか。ちょっとしかしらないグループで、「役者じゃなくアイドルか・・・汗」と最初は失望もあったのですが、実は俳優活動にも力を入れている方らしく、予告映像でもなかなかの迫力。


高校生時代の回想シーンには、名子役の須賀健太君も出てくるとのことなので、もういろいろと楽しみで仕方ありません。ながらくBL映画を楽しんできましたが、いよいよ第二章スタートというか、物珍しさを超えて、変わった毛色の作品が出てくる時代になったんだなあ、という感慨もあり。


目下、東北での上映が決まってないので、いつ見られるかドキドキですけど、この映画だけは絶対見逃さないつもり(力説)です。

ilip.jp

miyabi2013.hatenablog.com


妻夫木聡 台湾「愚行録」記者会見

偶然ですが、妻夫木君が台湾で「愚行録」公開の記者会見を開いた、というニュースを知り、現地記事と映像を見ました。映画自体は未見(TV放映待ち)ですが、インタビューにちょっと面白いネタがあったので書いておきます。それは今後、演じてみたい役柄について、という質問。


そろそろ自分の年代では子供を持っている人が多いので、「子持ち(特に女の子)の父親役」という発言の他に、映画「ブロークバック・マウンテン」が好きでゲイ役をやりたい、ということも話していたようです。昨年は『怒り』という映画でゲイ役を演じたが、「まるまる1本しっかりとゲイ同志の恋愛映画を演じてみたい。」と答えていました。


その話は、相方の(笑)綾野剛君とも撮影期間中話していたそうなので、やっぱりまだその想いは消えてないんだ、うわあすごい期待!と喜びました。ただ、そうなると早めにトライしてもらわないとちょっと年代的にも厳しくなってゆくでしょうし、相手役に綾野君以上のキャストはないだろうなあ、という現実問題が壁となっているんですよね。


本人はともかく事務所的にまたそれをやらせるか、というのもありますし、よほど脚本が良くないと実現は困難かもしれません。まあ、それなら舞台という手もありますし、若いツバメを可愛がるオジサン役でもいいし(笑)、アングラでもいいから、また私は妻夫木君の華麗なゲイ役を見たいんですけど。


それにしても、彼って感性的にはバイセクシャルに近いのかな(ファンの皆様、すいません)。あまり女性とのラブストーリーで魅力の出るタイプの男優でもないですし(失礼)、男気はあるけれどちょっとフェミニンな色気も同居していて不思議なタイプな役者です。ああ本当につくづく結婚したのが惜しい・・・。

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