雅・処

好きな俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

スタジオライフ『銀のキス』観劇記(2)

脇役がイケてます!

まっさらの状態で観劇して、最初がVチームの山本芳樹松本慎也組だったので、全体的にこちらのほうがかなり印象に残りました。サイモン役としては、多少抑えの効いた曽世海児さんのほうが好みかもしれませんが、芳樹君のなんにつけても自虐的な演技には、好き嫌いを超えて(笑)揺さぶりをかけられてしまうので、もうどうしようもありません。


ただ芳樹君、ヴァンパイアに改造されたときのコンテンポラリーダンス風の動きだけは、正直「こりゃ、やりすぎじゃないかな~(汗)。」と思ってしまいました。あまりに現実に引き戻されてしまって・・・(しかも何気にこの動き、見慣れてしまってるので)。裏路地を徘徊していそうなのは山本サイモン。ゾーイに愛を求める姿も「キミ(ゾーイ)でないと駄目なんだ!」と駄々をこねてる感じがするのは芳樹君のほうでした。かなり人間的です。


一方、曽世さんのサイモンは、芳樹君の演じた”孤独を嘆く人”とは異なり、”孤高の人”という感じでややすっきりとして、若干薄めに見えました。やはりドラキュラ伯爵を演じた経験が役立っているのかもしれませんね。どこかに潜んで人の目を恐れて、ゾーイに対しても身をこわばらせて、愛が受けられるかどうか怯えてる感じがより強く出ていました。


ゾーイ役は、ヒロインはお手のものの舟見和利君とヒロイン続きの若手ホープ、松本君。舟見君には、時折、女子高生というより、”成熟した女”を感じました。最近は大人の女性役も多いせいか、そろそろ学生役は厳しいかな。。。若作りしていても、溢れ出る妖艶な色気(笑)がそれを邪魔します。特に林ママとの見せ場のシーン。涙を堪えているその姿は、まるで”これからお嫁に行きます、ママ”というムードで、背後に『秋桜♪』(by 山口百恵)が聞こえてきそうでした。


対する松本ゾーイ。彼は若いせいかとてもまっすぐな演技をしていていつも好感が持てます。パッとしない普段着風の衣装で、松葉杖に細い体を預けながら一人佇む姿は何もしなくても常に寂寥感が漂っていました。最近ヒロインの友達役が適任となってる?関戸博一君と”ちんまりコンビ”がとても愛らしくて、ビジュアルでもだいぶ得をしてる気がします。

【またまた脇役が面白い】


ゾーイの両親役で林勇さん(病気の母)と高根研一さん(父)がおりますが、かつていくどか若い恋人役を演じていたこのお二人がとうとう所帯を持って若い娘を設け・・・と勘違いするほどに、いつの間にやらそんな設定がハマる年代になったのかな、と妙に感慨深かったです。高根さんは優しい男性も最近やたらハマリますね。元来持っているソフトさがにじみ出てきた感じです。


そして、林ママ。今回は登場シーンで衝撃のスキンヘッド*1で登場。髪のみならず眉すら剃り上げており、見た瞬間は男性にしか見えません。ところがどっこい、話し出すとどこをどう見ても「ママ」にしか見えません。今回は、見てくれで誤魔化される要素が全くないだけに、彼の”女優っぷり”の凄さと風格に脱帽。


ゾーイの左手をとってギュッと握りしめ、顔を覗き込みながら握った手を振りながら話すしぐさ・・・そんな細かい芸当は一体どこで仕入れたでしょうか?一人、若い娘を置いていかねばならない病身の母の哀しみをさりげないけれども温かな柔らかさで演じていました。「(死ぬことは)特別なことではないのよ」と言って慰める優しいママ・・・。


 もしや林氏、どこかで子供を産んでいたのか?! (んなわけなはない)


そして前回もちょっと書いた、ワケ有のお二人さん、深山クリストファー&前田フォン・グラブは圧巻でした。お二人とも日本人にしておくのが勿体無いくらい、ちょっと洋風な衣装が妙に似合いすぎ。


悪魔のような子供・クリストファー役を生き生きと、うすら寒くなるような調子で演じていた深山洋貴君は、このところ勿体無い使われ方が多かっただけに、久しぶりのアタリ役が嬉しい限り。ふだんのポワワ~ンとした青年風(?)とは違ってしっかり何か”悪”が宿っていました。サイモンを牛耳っているところも貫禄があって良かったです。


 深山君、君こそ永遠の少年(役)だ!


クリストファー役をダブルで演じた荒木健太朗君のほうは、表情などには良い資質を感じましたが、まだまだクリストファーとしての迫力には欠けて見えてしまいました。しかし、マイペースで「遅れてきたジュニ7」の荒木君には一皮剥けたらグンと伸びそうなものを感じるので、着実に頑張って欲しいですね。


また映画出演*2で、しばしご無沙汰だった前田倫良さんは、今までならどんな役にもソフトな優しさが滲み出ていましたが、今回は見るからに怪しい(笑)悪商人をスマートに演じていました。貫禄すら感じて嬉しい成長ぶりです。誘拐魔であり、吸血鬼に一族、という役柄がゾクゾクするほど似合ってました。でもあんな怪しい男をよく家に招きいれたものだ、サイモン父。


ダブルのフォン・グラブ役、の船戸慎士さんは、前田君のおかげでとても紳士に見えました(笑)。とはいえ、船戸さんには最近とみに、青年と中年の一歩手前の年代に特有の”上品な色気”を感じてごく一部(→私と友人の間だけかも)の間でポイント高し!なのです。曽世サイモンのもろ肌をひんむくところの何気ない手つきが素敵・・・て見るところ違うでしょっ!て思いつつも。


ヴァンパイア三部作を制覇したけれども、何故にこんなに吸血鬼モノが人気があるのか、おぼろげに分かるような気もしてきました。”血の儀式”の秘密めいたアブナイ世界、闇の中で見せる官能美、永遠の生と消滅する愛、そんな幾つものありえない事に好奇心や奥底の恐れが反応するのかもしれません。見てる側のみならず、役者のほうも非日常を演じる醍醐味を感じるそうですし。


しかしながら、何度見てもそうそう楽しいものではないですわね、血を吸われるなんて(笑)。


miyabi2013.hatenablog.com

*1:癌患者のため脱毛してしまった、という設定のため

*2:松田龍平君主演の「長州ファイヴ」