雅・処

好きなアイドル・俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

スタジオライフ『DAISY PULLS IT OFF』観劇記(2)

役者達の弾けっぷり

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実のところ、感想を書く前に、公演が終わってしまいそうな予感・・・に襲われ、焦っておりました。なんとか役者への感想など書き始めたいと思います。


DAISY PULLS IT OFF』の楽しいところは、舞台と客席左右の扉からわらわらと溢れ出す、グレンジウッドの女学生達です。髪型からジャンパースカートまで全身、女の子に変身した可憐なお兄さん達が本当に「目の錯覚か?」と思うほどにラブリーなのです。仮装大会でもこうはいきません。なんといっても、当事者達が溌剌、ウキウキと楽しくてたまらない、といったムードなのが良いのです。


グレンジウッドの重厚で美しい白亜の建物なんて、簡単な絵一枚しかなく、セット代わりにパネル上の扉をあちらこちらへ動かすだけ*1の超シンプルな構成なのに、そこが由緒正しい女学院に見えてしまうのは、摩訶不思議です。堅苦しい時代ではありますが、底辺に流れる「古き良き時代」の息吹にはどこかしら郷愁や憧れを抱いてしまいました。

【役者ア・ラ・カルト】


デイジー役には、初演より引き続いての舟見和利君。良くも悪くも私のイメージの中で、「舟見デイジー」というのが焼きついています。舟見君は、こういう「絵に描いたような元気少女」役だと流れないように丁寧に喋ろうと意識しているのが裏目に出て、どうにも台詞を聞き取るのに疲れてしまうのが難点。きちっと泣きどころは押さえているなあ、という感じでしたが、再演ということもあって幾分(いやかなり)役に慣れてて、とてもタフに見えました(笑)。


Wキャストは、すっかりライフのヒロインが板についている?松本慎也君。初めてだけあってとにかく新鮮、ピチピチの新入生に見えます。冒頭、デイジーが自分を表現する台詞で「まっすぐ!」と、語るところもとにかくピュアで可愛い。かといって今までどの役にもあった芯の強さを感じてデイジーという少女はこうなんだろうな、と納得させられます。慣れない寮生活の中であれこれ足を引っ張られて追い詰められていく緊張感が出ていてとてもハマっていました。


トリクシー役は、”万年少年”(笑)ならぬ少女役もプリティな深山洋貴君と若さとパワーで弾けまくり!の三上俊君がどちらも主役を喰ってしまうほど魅力的でした。トリクシーが、保健室送りとなったデイジーを慰めるシーンは、トリクシーの優しさがにじみ出て毎回ウルウルさせられました。初演でも見たはずなのに、今回はストレートに伝わってきました。若さゆえの元気印!の三上君は、やたらと声が良く通る、いや通り過ぎなくらい(笑)ものすごいパワーで押してましたね。


全校生徒憧れの生徒会長、クレア先輩に曽世さん。もうピッタリ過ぎます。危なげない役作りに、ほどほどの味付けがあって安心して見ていられました。でも密かに「曽世さん、ちょっと歳とったなあ・・・」と切なくなったりもしたのですが。時折、主婦の井戸端会議みたいな調子が出ていて、不思議に男を感じさせません。


クレアの親友役アリスは、吉田君と仲原君が好演。”真性”女子高生っぽい吉田君はもちろんですが、仲原君が舞台慣れしてきてなかなかイイのに驚きます。入団したてから役付きが良かっただけのことはあります。


久しぶりに登場の佐野考治さんの女役、独特の几帳面さが感じられる女性役は本当にぴったりでした。舞台で「あれ、もしかして小林君?」と驚いたのですが、よく見ると確かにジュニ3の小林浩司君でした。何かしら事情があるのか、あまり舞台に立たなくなった役者達にも再会できて懐かしさを感じます。


『銀のキス』で復活!した前田倫良さんは、前回に引き続き役者として最も変化した姿を見せてくれてちょっとした感動がありました。今までだったら、「穏やかで優しい人」という良くも悪くも甘さがあったのですが、眼光が鋭くなりキリリと締まった顔つきに変貌しています。それでいて包容力もにじみ出てきて、映画(「長州ファイブ」)撮影で鍛えられたさまが想像できました。デイジーをギュッと抱きしめるシーン、それだけでもとても良かったです。


そして、シビル&モニカは・・・書き始めたら、果てしがなくなってしまったので次回に続きます。

※写真は、劇場パンフレットと特製ストラップです。このパンフレット、表紙も中身もノート型でそこに写真など加工が施されています。ちょっとお洒落?だけれど、その分ペラペラなのが寂しい・・・。


miyabi2013.hatenablog.com
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*1:学園祭の出し物なので、制服姿の乙女達が元気いっぱいに走り回っています。