雅・処

好きな俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

スタジオライフ『マージナル』観劇記(2)

役者の見どころ

今回は、2年半ぶりの看板役者・笠原さんが一時帰還!!もうそこに立っているだけで嬉しかったのですが、それは笠原さん自身も私達以上にそうであったと思います。ブランクを全く感じさせませんでした。主役グリンジャも余裕だな、という感じでしたし。


原作漫画のグリンジャの”陰”はあまり感じさせず、どこまでいっても”陽気さ”が前面に出ちゃう(笑)笠原さんですが、今回は少し抑え目の演技の中に光る”男らしい優しさ”に目を奪われました。


荒木キラを抱きしめるシーンでは、あまりに愛情深いオーラに包まれてて、見てるこっちがギュッと抱きしめられたような気分になりました。あれ、荒木君も思わず愛を感じていたでしょうね(笑)。滑舌の良さは相変わらず、見ていて安心感があります。外部の芝居で切磋琢磨してきたせいか、他の役者に影響を受けず、今まで以上に「余裕」を感じさせました。


「夏の夜の夢」に次ぐ大抜擢だった、仲原君。アシジンの持つ荒々しさとデリケートさが絡みあった役どころには、ちょっとハードルが高すぎた気もしましたが、その度胸の良さには感心します。そして彼の良さは、台詞回しが丁寧で響きの良い声を持ってるので、とても良く台詞が入ってくることにあります。


かつてジュニ7の大抜擢シーズンにも驚きはありましたが、ライバルになる仲間がいるわけでもなく孤軍奮闘で大役にぶつかる仲原君を見ていると、今後も安定した良い役者になるのでは?と思います。今のところまだ色気は、要求されていないようですし(笑)。


荒木君のキラは、観る前、かなり抵抗があるかも・・・と予想していたのですが、砂漠で拾われた「不思議な少年」という設定が似合い、独特の存在感がありました。荒木君特有のイントネーションには、どこか外国人のような”訛り”を感じることがあるので、国籍不明な役どころが合うかも。


ビジュアルについては、松本君のキラ、カワイコちゃんぶり(笑)が、楽しいです。最近、ヒロイン役を独り占めしている彼、だんだん「愛され慣れ」してきているところがすごい。キラースマイルで、大ちゃんアシジンを自然に誘惑してました。


曽世さんとちゃんという組み合わせは、男同士より男女の組み合わせのほうがいいかもしれない(笑)。大ちゃんの血管浮き上がるような熱血男ぶりに影響されて、曽世さんもやや早口でまくしたててるところが多くて、そんなに慌てなくてもいいのに・・・と思ったり。


ただ、目をつぶされてから、聖者達と共に放浪するあたり、悲愴感が出ていて、さすがだな~と感心。外見は体育会系ですが、内面は”ナチュラルマゾ体質”なんだよなあ、曽世さんは。曽世・岩崎・松本組のほうが、原作漫画の世界に近いと思いましたが、3人の関係性が繊細に伝わってきたのは、意外にも笠原・仲原・荒木組のほうでしたね。

【脇役陣の良さ】


市長の息子ミカルは、漫画本からそのまま出てきたような完璧なビジュアル*1だった三上君。ちょうど身の丈にあった役で、文句ナシ!でした。世間知らずのボンボンだけど、自分の置かれている使命と知らないところで繰り広げられているマザー計画に疑念を抱いて、真実を知りたいという思いに突き動かされている様子が真に迫っていてとても良かったです。


彼の少年役は、理想的ですね。屈託がなくて、笑顔が可愛い。己の可愛さを充分に知ってて無意識に利用している(笑)ところがまたイイのです。それからあの中世風な衣装、お稚児さんルック(←いや、たとえが違うんですけど)でラブリーです。おかげで必要以上に写真を買ってしまいました(笑)。


やはり病み上がりなのか(?)久しぶりのお芝居にあまり元気が無かった舟見君。台詞が少ない抑え目の演技でしたが、ライフの看板女優の一人としてまた復活してもらいたいものです。都市編では、エメラダ役でエドモス役の大ちゃんと、黄金の恋人同士ぶりを見せていた、という話を聞き、「おお、それは観たかったものだ・・・」と思いました。


今回は、脇を占めるんだろうなあ、と気楽に構えて観ていたのがさん。何をやっても達者で揺るがない存在感の持ち主なので、単純に楽しみだったのですが、どこか抜けてる盗賊団の首領、悲劇の女性アーリン、いつも以上の怪演ぶりだったサイゼンマスターと3役を堪能しました。


太っちょサイゼンマスターのキワモノ演技は、単調になりそうな後半に活力を与えていて楽しかったのですが、ほんのわずかでも、アーリンの女役を見られたことは幸せでした。やっぱり彼の女役は、他に並ぶもの無しの芸術品という感じです。


林氏とは別な意味で最近、とみに好きモードの吉田君の女役。出番は少ないものの(涙)、都市編の真っ赤なドレス姿で、ハイソなナースタース役、「キャー!!髭が生えてる~!」で爆笑させたジューシー役とインパクトのある女役で楽しませてくれました。メイヤードへの密かな想いを、吐露するシーンは、都市編最大の見せ場。もう少し伏線が強ければもっと泣けただろうなあ。本当にステージの上では、演技というのを忘れさせるほどナチュラルすぎる吉田君の女役には、毎回ウットリです。


都市編の主役となってるメイヤード役は、青木君。ちょうど「月の子」で笠原さんが演じたギルのように、漫画の中では主役ではないカゲのヒーローを、倉田さんはとてもお好きなので、「ナルホド、こうきたか」と思って観てました。


今回、砂漠編より都市編の方が気に入った、という声をあちこちで聞きましたが、それはちゃんと核になる登場人物がいて、その胸の奥に閉まった悲しみを、あまりぶれることなく描き出していったからでしょう。やはり作り手にとって、一番描きたい人物が当然のことながら、一番魅力的に映るってことなんでしょうね。


今回とっても好演だったのが奥田君のネズ。ミカルの好奇心に振り回されて、「こんなはずではなかったのに・・・」と右往左往している姿が、憎めなくてとても可愛かったです。奥田君、前はどこか肩に力が入ってて、笑いの多い役だと若干やり過ぎなのが気になったりしたのですが、前回の『夏の夜の夢』あたりから力が抜けてきて、作りこんでても自然に見えるようになりました。一つ上の上手さを身につけてきたなあ、と感心しちゃいましたね。


あっさりと観てるつもりがやっぱり思い出すと、我ながらいろいろと観察していたんだなあ~という感じです。スタジオライフの芝居がどんな作品であれ、気が抜けないのは、好きな役者に限らず、公演ごとに「今回は、彼か!!」と”光る”演技をする役者がいるからです。


萩尾作品を「神作」と崇め奉るような(笑)お兄さま達(劇団員の上級生)の教育がよろしいせいか、どんな小さな役でも”真摯さ”を失わないところも良い。ということで今回もなーんか例のごとく長くなっちゃいました(汗)。

公式サイト:舞台 マージナル 公演情報
 → CM映像付。音が出ます。今回のライフは、チラシ・パンフ共に”裸族”仕様となっておりますので、お楽しみあれ(笑)。若干、脱ぎすぎな感もありますが、「脱ぐとすごいんです」な人もチラホラと。


miyabi2013.hatenablog.com

*1:原作読んだ時すでに、ミカルがあまりに三上君に似ててウケてました。