雅・処

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スタジオライフ「LILIES」こぼれ話(3)

期待より不安だらけのキャスト発表

別に”こぼれ”てもおりませんが、あと2日に迫った初日を前に、新しい「LILIES」についても少し語ろうと思います。思い出すのは、キャスト表が届いた時。まさに”びっくら仰天”、心の中を突風が吹いていきました。劇団にとっても一部(?)のファンにとっても格別に思い入れのある作品に客演がまさか4人も参加!とは。「トーマの心臓」と「LILIES」だけは、劇団員のみで演じて欲しい、というのが本音ではあります。


しかし、冷静になって考えて見れば、重松氏は前回再演でも参加しているので、やや馴染みがあります。更に坂本岳大さんと同様、準劇団員かライファーか(笑)とまで言われている新納慎也君も、「カリフォルニア物語」以降、劇団のボイストレーニングの先生となってるカサノボー晃さんも親近感がなくはない。全くの”初めまして”は、村上幸平さんくらいなものです。


再演の時は、久しぶりに特撮の世界から「帰ってきたノブオマン」ならぬ姜暢雄君と村上さんの存在が重なり合います。(同じヴァリエですし。)かつて「LILIES」の未来のキャストを友人達と話した時には、「ヴァリエは、劇団内にもできる人がいっぱいいる。でも、シモンがいないのよね~。」という話を交わしておりました。


どうしても高根さんや甲斐さんのイメージが強く、シモンは”たっぱ”があって男くさいタイプ、となってしまう。そういう意味では、今なら機が熟した感のあるちゃんは納得、そしてベテラン笠原さんのシモンも見てみたい。しかし、その2人以外となると・・・となってしまうのです。


されど客演よりもショックだったのは、伯爵夫人役。ハッキリ言って、この芝居の一番の核となる、最重要人物は”伯爵夫人”だと思ってます。この役の出来次第で、芝居の完成度がガラッと変わってくるわけです。果たしてニューフェイスの伯爵夫人はどうなってしまうのか・・・。個人的には、さんリターンズで見たかっただけに、それこそ膝が崩れ落ちるくらいのショックな出来事でした。あの正気と狂気を行き来するようなギリギリの精神世界を新メンバーは、どれだけ見せられるのか。


更に、もはやあの”乙女な”ヴァリエは見られないと覚悟しておりましたが、リディアンヌとして参加する芳樹君。うーん、よっちゃんの女役はあのダミ声が邪魔してツライものがありますし、またもややりすぎちゃいそうな予感が・・・(汗)。


まあ、そうは言ってますが、初演・再演とは全く切り離して見れば、何のことはない、のかもしれません。なんてったって、脚本が鉄壁ですから(笑)。誰がやっても傑作に変わりなし。あとは、どれだけあの濃密な物語に全身全霊を注ぎ込めるか、役者にとっても試される瞬間でしょうね。去年の「死の泉」のように薄まって脱力・・・にならないことを祈ってます。

【新納君へ感謝】


キャスト発表からつい最近まで、今回の「LILIES」についてはあまり考えないことにしようか・・・なんて諦め感覚でいたのですが、客演の新納君があまりに盛り上げてくれるので、すっかり影響されて私も盛り上がってしまいました。劇団員は、良くも悪くも連続する本公演の一つとして捉えているため、じんわりとやる気を感じる程度なのですが、外の華やかなりし世界で活躍している新納君は、慣れないこの芝居に真剣に向き合っているのが伝わってきて、感動を覚えました。


ご自分のブログでも、ライフ公式サイトのチケット情報局でも、本音とウィットのあるジョークを交えての稽古風景描写に爆笑!!出演していたミュージカルが終わった2日目、「本読みの段階から、マツシン(松本慎也*1)がカーワイイ顔して、”愛してるって言って!”、とか言ってて”おいおい、勘弁してくれよ。いくらなんでも・・・”」と思ったという話、腹抱えて笑ってしまいました。


「君らのファン(=ライファー)は慣れてるかもしれへんが、俺のファンはビックリするよ。」発言もイカシてました。言われて見れば、確かに野郎同士が抱き合って「愛してる!」なんて涙していようが、キスしてようが、そんなもの見慣れてて屁とも思いません*2。どうせ相手役は女の設定だろうが男の設定だろうが、男しかいないのだから同じことなわけです。(これぞお約束)。役者自身もそんなこと言ってましたし。


客演の方は「LILIES」に限らず、「女役でスカート履くんだよね」とか、「男同士の愛の世界!」なんて、バンジージャンプでもするかのごとく、大袈裟なリアクションをするのですが、なんでそんなことにイチイチ驚くんだろう?と思ってしまう生粋のライファーな私。・・・いかに毒されてるか。(これが普通の舞台だと、見てるのが辛くなるほどの体当たり熱演で”どうだ見ろ、男同士の愛だぞ~!”と、やりすぎてしまうきらいがあるような。)


ま、それはともかく、新納君のおかげでシモン役がとても楽しみになってしまいました。全く想像ができないだけに、興味が沸く客演メンバーです。特に新納&松本の麗しコンビは、目の肥やしになりそうです。

【場面転換も見逃せない】


石飛さんの動画インタビューにもありましたが、「LILIES」の面白さの一つは場面転換。囚人達が演じるお芝居、なので場面転換になると”囚人達”に戻って次のシーンの支度を行います。これが本当に好きです。音楽と相まってスリリングなムードを高めてくれますし、休憩タイムではなく、一つの見せ場でもあるのです。何回も見てから、「あ、そうなのか!」と分かるような謎めいた演出もあります。


セットや小道具は、必要最低限。階段を動かしたり、椅子を片付けたり、さしたる大仕事ではないのですが、それがどうしてどうして、何故かしら”美的”にすら感じてしまうのです。同じく石飛さんの発言で「DVDは、好きじゃないの。1/100しか伝わらないから。」の言葉の意味がよく分かりました。映像の暗さに、転換の面白さはほとんどかき消されてしまっていたのが切なかったので。個人的に一番ゾクっとくるのは、伯爵夫人が起き上がるシーンです。


一方、初演よりも再演の時は、舞台から見て”死角”が増えていたのが残念でした。”回想シーン”の芝居を離れた瞬間、囚人としての演技に移り変わる、そんな役者達の表情が見物でしたから。ときには、自分の出番を終えた後、すぐ目の前で繰り広げられる芝居に引き込まれ、涙を流して見入ってる役者もいたり。。。この芝居は、引き込まれるとどちらが観客か分からなくなるほど、身に迫ってくるのだろうなあ、と思います。

【ブシャール氏と公式サイト】


劇作家ブシャール氏が、初日を見に来るそうです。すでに公式サイトでは、それにちなんでちょっとした記念プレゼントも組まれておりますが、とうとう何年越しの倉田さんの思いが通じたというわけですね。すでにスタジオライフとして、販売されたDVDは送ってるという話を、チケット情報局で石飛さんがしておりました。更にブシャール氏のサイトでは、「他の国での上演写真より、ライフの舞台写真の方が多いんだって!」という耳寄り情報があったので探してみました。


公式サイトのトップページには、ブシャール氏作の芝居や映画の紹介があり、上演間近ということで日本の「LILIES」の紹介があります。更にそこから「LILIES」のページへ入るといきなり流れるのは、高根シモン、芳樹ヴァリエ、奥田ビロドーのクライマックスシーンの映像。なんか海外のサイトで見るとまた不思議な気がしてきます。他国版「LILIES」もちょっとですが動画を見ることが出来ます。


出演者は、結構年代が高く、とても重厚な演劇に見えるだけに、日本版がいかにも「19歳の多感な少年達」という感じがしてきます。同じようなシーンで、「ミゼレーレ♪」がまた流れるのに驚きました。偶然なのかそれとも必然か。いろんな人がダイナミックに動き出して、一つの到達点へ向かっているような気持ちに満たされて、早くあの独特な世界にドップリ浸かりたいなあ、という気がしてきました。


・・・ ふう、これでやっと心置きなく見られますわ。

◇ブシャール氏の公式サイト:Site officiel de Michel Marc Bouchard, dramaturge québécois - Michel Marc Bouchard's official Website


・LILIES紹介コーナー:Michel Marc Bouchard - Les Feluettes/Lilies/Los Endebles
 → いきなりライフ版LILIESの動画が流れます。(懐かしいなあ。)写真と動画が沢山見られます。


miyabi2013.hatenablog.com
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*1:シモンが愛する相手役、ヴァリエを演じます

*2:注:あくまでもスタジオライフの芝居中でのことですが。