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雅・処

好きな俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

突然のTAIJIの死

ビジュアル系

なでしこJAPANのW杯優勝の陰に隠れた形で、先週17日に衝撃的なニュースがもたらされておりました。X JAPANの元ベーシスト、TAIJI沢田泰司)の自殺です。あれから1週間経って、ふと彼のことをいろいろと思い出しておりました。


最初にTAIJIが意識不明の重体、と聞いたとき、ビックリはしましたが、正直なところ「ああ、やはりな・・・」と思った部分が少しあります。飛行機内で暴れて人に暴行を与えた、という報道もありますから、自殺を選んだという顛末もなんだかどう受け止めて良いのか分かりません。持ち前の”ワイルドでロックな人生”、と呼べばいささか格好良すぎで、TAIJIには昔から何か不幸のカゲが付きまとっている気がしました。


以前から、幼少期の話もあまり良い感じのエピソードがなく、親に反抗していたような話をインタビューで読んでいました。輝かしい名声を捨て、X JAPANを脱退(YOSHIKIと揉めてバンドをクビになった)後、ラウドネス、D・T・Rとバンドを渡り歩き、その後、離婚やホームレス暮らしを体験、持病も悪化、交通事故まであって身体はボロボロの状態だった、と知りました。まるで、「怒れるロッカーそのもの」の人生で、最後の決して美しくない終わり方も彼らしいと言えばそう言えなくもない。


危なっかしい生き様だったからこそ、TAIJIhideの死以来、YOSHIKIと和解?の方向にいき、最近は、大観衆の前で一緒にライブをした、と聞いて、「彼も大人になったんだなあ。」と少し安心していた矢先の出来事でした。私が、Xのファンになった、まさにその時、TAIJIは脱退したので、X時代の彼を見ることはできませんでした。ただ、名曲「Voiceless screaming」のあまりの完成度の高さに胸を打たれ、TAIJIのことは忘れることができませんでした。


その後のXが、どれほどビッグになっていっても、最後までTAIJIの穴を埋めることはできなかったのではないか、と思ってしまいます。Xの過激でハードなサウンドをTAIJIが担っていたのもありますし、バンドにとっても絶妙なバランスとなってました。「グルーヴ感」なる言葉を知ったのもTAIJIがきっかけです。彼のインタビューには、常にこの言葉が散りばめられていました。今も昔もベースの魅力が分かる、なんてことは全然言えない私で、TAIJIの技巧がどれほど凄かったかも、よくは分かりませんでした。


X脱退後、私が知らないオリジナルメンバー、TAIJIへの興味は消えず、イベントライブやラウドネス、D・T・Rのライブへ足を運びました。おそらく5、6回程度はステージに立つ彼を見たと思います。Xファンに成り立ての年下の友人と一緒に見に行ったら、彼女がTAIJIに大ハマリしてしまったこともあり、その後はその友人を通してTAIJIの動向を聞くようになったり。さもありなん、その頃のTAIJIは、がむしゃらに己の道を突き進む一匹狼のようなカッコよさに溢れていて、私ですら幻惑されるほどオーラを感じました。


音楽性はそれほど好みというわけでもなかったと思いますが、D・T・Rはボーカルも個性的で上手かったので、地道に活動できる場ができて良かった、と思ったところでしたがまもなく活動休止。さきの友人に聞くと、「TAIJI失踪状態で、家族も関係者も連絡がとれない状態だ。」という話でした。幼い頃、家庭が不和で苦労した話を覚えていたので、自分の子供達を泣かせるようなことをするのが驚きでしたが、それだけTAIJIという男は、一つのところに留めておけない性分なのではないか、とおぼろげに感じました。


恐らくその直後にホームレスになっていたのかな、と思います。hideの死後、TAIJIは自らの半生を綴った本を出版しており、その本の内容は結構悲惨なものでしたが、最終的には「俺は負けないぞ!」という闘志を奮い立たせて終わっていました。私の中のTAIJIの一番最近の記憶がここまで。(ということは10年くらい前の話ですね。)


TAIJIに何か定められた”役目”があって、こういう破天荒な人生を過ごしているのか、心の底から信じられる友人や家族がいたのか、私には分かりません。不幸や苦難に彩られた人生であっても、彼にとっては、もちろん輝かしい一瞬を謳歌した時もあったのでしょう。昨今、甦ったX JAPANが世界ツアーでそこそこの成功を収めているところでの今回の悲報。YOSHIKIじゃなくても、Xというバンドの正負双方向への強烈なパワーは壮絶だな、と思ってしまいます。


前述の「Voiceless screaming」の他に、その別バージョンとしてD・T・Rにも「Voiceless」という美しい泣きのバラードがあります。胸に切々と訴えかけてくるこのバラード。この曲を聴くと、ワイルドで凶暴な一匹狼の裏側に、誰かにすがりたいと必死で手を伸ばす、孤独なミュージシャンの魂を感じてしまうのです。


死を選んだことはとても残念だけど、肉体&精神の苦痛からようやく解き放たれることができたのかもしれませんね。TAIJI、どうか安らかに眠って下さい。


■試聴はこちら → D.T.R Dribe To Revolution - Voiceless Acoustic - YouTube


DIRTY TRASHROAD

DIRTY TRASHROAD


D・T・Rのオリジナルアルバム。本場、アメリカ風のロックアルバムだなあ、と勝手に思っておりました。


伝説のバンド「X」の生と死―宇宙を翔ける友へ

伝説のバンド「X」の生と死―宇宙を翔ける友へ


生い立ちから、X脱退、hideの死、ホームレス体験、YOSIKIとの再会など、赤裸々に語られています。読みやすくて一気に読んでしまいました。添付のCDは、おいおい、という代物でしたが(汗)。