雅・処

好きな俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

スタジオライフ韓国公演体験記(1) 「十二夜」

初めての海外公演を楽しむ

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この1ヶ月ソワソワ、ドキドキ、ワクワク過ごしてきた大イベント、それは劇団スタジオライフの韓国公演ツアーでございました。海外旅行自体6年ぶりということで、すっかり過去に訪問した外国の記憶はリセットされ、初心者モードとなっていたので、あれこれ準備に大わらわ。一人参加のため、自由時間の過ごし方にも不安が尽きず。


とにもかくにも劇団にとっても”念願”の初海外公演である「夏の夜の夢&十二夜」ソウル公演。応援ツアーに参加したのですが、びっしりの日程表に青ざめるほどの”弾丸ツアー”でした。日本人ファンの我々は全4公演中、後半の2公演を観る予定でした。しかもソウルに着いた日の夜から観劇はスタートするという慌しさな上、ハプニングも続出。


当初の見込みよりツアー参加者が2倍以上に膨れ上がったせいで、ホテルや食事処の変更をはじめ、ツアー中もいろいろな面で大変だったようです。ソウルの仁川空港に到着してからバスでホテルへ向かうまでの間に想定外の大渋滞に巻き込まれ、大学路(テハンノ)の劇場前にやっと移動してからもチケットの分配でまた一苦労。開演時間を過ぎてもまだホールに入れないという魔の時間に血の気の引く思い。。。


やっとのことでチケットをもらってホッとしたのも束の間、席番を見るとまさかのハングル表記~!!一同、唖然です。スタジアムのように、右・中央・左ブロックに分かれていて連番で繋がってる、ということが分かって座席にようやく座ることができたときには、もう汗だくでした。見上げれば、頭の上にハングルの字幕が映し出されていました。牧島君の低音ボイスでいつものように日本語のガイダンスが流れると、一瞬ソウルにいることを忘れてしまうほど。

【「十二夜」で沸き起こる爆笑】


この回は、『十二夜』からスタートです。新作のように生まれ変わった「十二夜」は、東京で1度しか見ていなかったので、とても楽しみでした。石飛さんの重厚なソロ「人生、雨と風♪」で幕開け。途中から、トレンチコートの劇団員が少しずつ舞台に登場して、男声合唱のような響きを聴かせてくれます。やがて役者達の歓声と共に、ダンスシーンが始まると手拍子が起こりました。


日本人ファン(ライファー)による手拍子なのですが、初日の公演では、この展開を知らない韓国人観客から一斉に歓声が巻き起こったそうです。日本人観客がほとんどいない公演のほうが、リアクションがもっと面白かったでしょうね。*1客席はほぼ満員状態で驚きましたし、座席はちゃんと傾斜が効いていて、とても見やすいホールでした。前のほうの席だったので、役者の顔の表情も細かく見えました。


マツシン(松本慎也)始め、主要キャスト達は、気のせいかすごく丁寧に演じているように見えました。字幕を追わなければならない韓国の観客のために、早口でまくし立てたりせずに適度な”間”をとっていて、見ていてすごく分かりやすくて、私も嬉しかったです。マツシン扮するシザーリオが、ことあるごとに大きな口を開いてビックリした表情を浮かべるのが印象的。


ウケどころは、日本とほぼ同じでした。片言の韓国語が飛び出すと一際、笑いが大きくなったりもします。それから、台詞でなく動きが面白いところはそのまま伝わるようで。アホウドリのコミカルなパフォーマンスもくすくす笑いが起こっていましたね。特に大ウケだったのは、ちゃん扮するアントーニオが関戸セバスチャンを後ろからソッと抱きしめるシーン*2


続けて、アントーニオの満面の笑みを浮かべながら、鎧の腹に描かれた「このドクロちゃんを押して下さい」~激しい悶え声~財布を産み落とすシーン、でまた大爆笑が巻き起こってました。日本で見た時、私も大笑いのシーンだったので、すごく嬉しかったな。ただこういう”BLっぽい表現”って、お国柄マズイのでは・・・?と思ったのですが、役者さんに聞いたところ、見ていて照れくさくなるような愛情表現は、逆に新鮮でウケるようだ、とか。


むしろ初日は「ヒューヒュー」と囃し立てるほど大盛り上がりだったそうです。おかげで大ちゃんが出てくるたびに、くすくす笑いが起こり、不思議な注目を浴びている感じがしました。もちろん、岳大さんのマルヴォーリオの”十文字に締めた黄色い靴下”のシーン、ホーホーッホという高笑いにも爆笑が起こってました。オーソドックスな笑いのシーンでありながら、期待通りに笑わせるというのは、演技達者な岳大さんの力量なのでしょう。


双子(ヴァイオラ&セバスチャン)の再会のシーンで、背後の天使像が羽を広げるシーンもかなり笑いが起こってました。ここは日本でも笑いが起こってましたが、広げ方がややぎこちなくてゆっくりだから変なんですよ。本当は、とても感動的なシーンなんですけど・・・(汗)。



ロビーに飾られたポスターと写真です。シンプルですが、フロアをライフ色に満たしていまいた。

【貴婦人と貴公子】


それから、マライア役のさんがサー・アンドリュー役の青木君の後頭部をめがけてハリセンで思い切り殴るシーンや、シザーリオとサー・アンドリューの弱々しい決闘シーンも笑いが起こってました。当初、青木君の長い韓国語のアドリブ台詞、何を言ったのか分かりませんでしたが、ご本人の話では、アニメから「スラムダンク!」とかセーラームーンの「月に向かっておしおきよ!」を韓国語で叫んだそうです。これが予想以上に盛り上がってましたね。


ちゃんのオリヴィアは、もともと大好きな役どころですが、今回も出ているだけでパーッと光が射すような華やかさを感じました。喪服のような黒衣装なのですが、手つきやしぐさ、全てが女っぽい及川さんなので、ホンモノの女性がそこにいるように見えてくるのです。それも育ちの良いお嬢様そのものが。カーテンコールでも淑女のお辞儀をすると一際大きな拍手が巻き起こっていて、まさに”女優”冥利といった感じでしたね。


対する貴公子は、曽世さん演ずるオーシーノ公爵。ピンクの衣装が異常に似合う(笑)と評判だった、曽世さんと及ちゃんが舞台の上で思う存分、暴れたり牽制しあったりするシーンを見ていると、昔のライフの趣が甦ってきて胸が熱くなりました。そうこうしているうちに主要キャストが全員集まっての大騒ぎ。オリヴィアに拒絶されて失神する(コメディアンばりにフットワークの軽い)公爵にどよめき、キャスト陣のダイナミックな’どつき合い’も炸裂し、爆笑に次ぐ爆笑。


気持ち良いくらい自然な笑いがひとしきり起こった後、大合唱で締めくくりました。後から聞いた話では、初日は字幕と演技がピッタリハマってこの日以上の盛り上がりだったとか。韓国本来の盛り上がり方でもあって、役者達は戸惑いながらも大感動していたとか。本当にそんな公演を体感できたら良かっただろうなあ、と思った1日でした。


そうそう盛り上がっても、カーテンコールは淡白な韓国のお客さん達(笑)。日本のように何度も役者が挨拶に出てくるような風習はなく、とっとと席を立ち、帰ろうとしていました。公演で盛り上がればそれでよし!という文化なのですね。長いカーテンコールがやや”お約束”になってる日本よりそれはそれでいいかも、と。その分、出演者のお辞儀の時、女役の及ちゃん、マツシンに対しては、「ヒューヒュー」と熱い反応がありましたね。


(つづく)

news.naver.com
十二夜」韓国公演映像&記事(韓国語)11月17日に記者と一般客を公募してのプレスコール(撮影イベント&プチ記者会見)があり、その時の映像&記事です。再生ボタンを押すと動画も見られます。


miyabi2013.hatenablog.com

*1:実際に、役者の想像以上に盛り上がったそうです。

*2:大ちゃんのブログにも書かれていましたが、「セバスゥ~」と甘え声でした。