雅・処

好きな俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

スタジオライフ 「Suka-suka aja de!」観劇記

7/23 真夏の若手公演Bチーム

夏のこのうっとうしい暑さのせいか、ブログを書く気が全然おきず、かなり間が空いてしまいました(汗)。先月、スタジオライフの夏公演を観劇してきました。本来は、復興バスツアーを先に書きたかったのですが、それは次回へ。


まずは、中野ウエストエンドという劇団本拠地で上演された、若手公演『Suka-suka aja de!』。相変わらず体が痛くなるように”すしずめ状態”でのややしんどい観劇でしたが、この日の東京が珍しく25℃前後の涼しい日だったのが、せめてもの救いでした。


エストエンドで見た芝居は、いくつもあるのですが、その中でも2001年の『ブギトゥ・バグース』の印象がすごく強烈だったので、今回の芝居にその時上演したストーリーがブッキングされている、ということで楽しみにしていました。


大きく4つの物語を繋ぎ合わせてあり、「ハナコケイコ」「井戸のほとり」は以前、見た記憶がありました。しかし、私の一番見たかった物語*1は、今回の演目にはなく、倉田さん流ブラックユーモア満載のアジアンテイストな物語でした。


確か「ブギトゥ~」の方は、役者が全力で踊るダンスも、大汗書きながらすごくエキサイティングで楽しかった覚えがあるのですが、どちらかとういうと「スカスカアジャデ」の方は、シュールといいますか・・・(天井から砂が落ちてきたりなんて演出もあって)。なんだか見終わった印象がかなり違う作品になっていました。


前説で、藤原さんが'90年代バブル期の日本人に起こった海外旅行ブームについて、まるで解説者のように丁寧に説明してくれていたのが、時代をとても感じさせました。また会場係の江口翔平君が、久しぶり見たら精悍な役者らしい顔つきになっていたことに驚きました。


江口君、この後の芝居でも活躍ぶりが目に留まりました。役者としても非常に頑張っていて、まさに一皮剥けてきた感じ。今後の成長を楽しみにしたいです。

【女優陣は、なかなかの安定感】


今回は、客演に3人の年代の異なる男優さん達、ライフ役者もJr.11以下の若手が中心で構成されていました。開演早々、いきなりの登場がJr.9の堀川君。一瞬誰か分からなかったくらい、久しぶりの登場にドキドキです。さあこれから、というときに休団してしまったので、非常に落胆したのですが、帰ってきてくれてとても嬉しい。


但し、今回は特別出演みたいなものらしいですね。どの役者も、今は色々な事情を抱えてて芸能事務所に所属して外部出演したり、まさかの時期に休/退団があったり、家庭の事情などもあるのでしょう、役者を続けるのが難しい時代だな、と思ってしまいます。一時の逢瀬、とはいえ、やっぱり嬉しい再会でした。


「オミヤゲヤ」では、日本人観光客のカップルに扮した宇佐見君(エリ)と田中君(とおる)。アジアの店先で、バカ高い壺を売りつけられそうになって、悩む若者たちをテンポよく演じてくれました。宇佐見君は、もうそこにいるだけで疑いようのない女の子ぶりがさすが(笑)。


田中君も繊細な役どころが多いのですが、ずいぶんと逞しさを感じるようになりました。客演の役者の方々が要所を押さえてくれるので、全く危なげなく進んでいきます。途中バックパッカーマン役の千葉君がノリノリで参戦し、絶妙なコンビネーションで楽しませてくれます。


現地人のバイヤーに言いくるめられながら、結局は高い壺を買わせられつつも、バブリーで懲りない若者像をどこか痛快に見せてくれました。「ハナコケイコ」は、イケイケ女子を久保君&若林君のふたりが演じていました。


若手役者の中でも、役付きの良さと演技力の反比例が若干不安だった・・・このお二人。でも、芝居を重ねるごとにすごく見せ方も上達して心なしか安定感も出てきたので、取り越し苦労でした。なんだ、全然良いじゃん!って(笑)。


いかにも流行りに乗り遅れるな、という調子で、まだ知られていない現地の村にホームステイした若い女性二人のドタバタ劇。恵まれた日本の生活と、アジアの素朴な暮らしのギャップを最初は楽しんでいたのですが、次第に平和なホームステイの裏の潜む危険にゾッとする、というオチが、まさに倉田節全開。


見ていて、バブルの頃の日本人の”お金はいくらでもある”けれど、”大事なもの”を気づかないで生きている傲慢さ、を顧みて恥ずかしくなるようなお話でした。


最後は、「井戸のほとり」。砂漠の真ん中で道に迷い、駐在員である部下・馬場(中野亮輔)に井戸のほとりまで連れて行かれ、そこで助けを待つ馬場の帰りを待っているよう言われた、中年上司の前田(甲津拓平)。偶然に、その村に住む言葉の通じない素朴な人々と心を通じさせてしまいます。


人種を超えた友情が生まれようとする一瞬、村に戻ってきた馬場の、心無い言葉によって、傷を受ける村人達。堪らず涙ながらに謝りながら去る前田*2。一日の終わりに美しい夕日を見つめて、初めて”生の喜び”を知ったような表情をする前田を見ていたら、胸にこみ上げてくるものがありました。


なんか一瞬、前田と自分が同化したような不思議な気分になり・・・。やっぱり歳を重ねることによる、サラリーマンの悲哀だとか生命力の減退なんかを日々痛感しているだけに、ストレートにシンプルな暮らしへの憧れなんかが、シンクロしちゃうんですよね。哀しい哉。予想以上に、じんわりとした寂寥感を感じた芝居でした。


全体を通して、狂言回し的(?)なミセル・ロゼ役は、関戸君。厚化粧がここまで似合うのもすごいですが、大御所感漂うその存在に圧倒されました。アジアの女王の風格に気圧されまくりで、異世界に誘われていった不思議な一時でした。

トークショー 客演の男優紹介】


芝居が終わってから、トークショーがついてました。この回は、スタジオライフの若手がお世話になっている、3人の客演男優さん達の紹介がメイン。甲津さんは、流山児★事務所所属、中野さんは青年座所属、大塚康介さんは、ミュージカル俳優、というバックボーンだそうです。


大塚さんは、若かりし頃、藤原さんと一緒に仕事をしたことがあり、その頃はまだ新人だったらしいのですが、今公演でライフの役者へアドバイスをしたりして、「すっかり立派になっちゃって」と藤原さんがしみじみ語ってました。


色々と楽しいお話も沢山あったのですが、やっぱり中野さんの”スタジオライフあるある話”が一番、面白かったです。初めて女役を演じる機会があり、ブラジャーのつけ方で戸惑った中野さん、どうしよう、と衣装部の久保君に聞いたところ、ホックに手が届かなければ、前にずらしてホックを合わせてから後ろに回してもいいんですよ、と的確なアドバイスをもらったそう。


いろんなサイズのブラを劇団衣装として所有しているので、もはや当たり前すぎて驚きがない、という劇団員に「すごい」と感じた事。また、お綺麗な役者ばかり、と聞いて来たけれど、普段着で稽古している姿は結構普通だな、と思ったようです。

*1:ありし日の姜暢雄君と奥田君が演じた、ちょっとBLっぽい笑えるお話

*2:この役は、以前、故・河内主宰が演じた役だとか。