この1週間、芸能界の大事件が立て続けに続きました。俳優押尾学容疑者の逮捕に続き、のりぴーこと酒井法子容疑者の失踪&逮捕、そして2大事件に隠れるようにして大女優大原麗子さんの死の報道。
中でものりぴーの逃亡劇は、映画を上回るほどのサスペンスの連続でした。今夜、本人の出頭により、一応のピリオドはうたれたものの、覚醒剤入手ルートや様々な謎が解明されるまでは、まだ少し時間がかかりそうです。
芸能界の”薬物汚染”は、随分前から数々報道されていましたが、日本中が知っている国民的アイドルののりぴーがまさか!ということでショックは小さくありません。
'85年のデビュー以来、結婚し子供を産んでからも、現役でタレントを続けて24年のキャリアを持つのりぴー。ティーンアイドル時代の映像が繰り返し流れているのを見ても、キラキラと光り輝いていて今の彼女とは別人のようです。(しかし実のところ、アイドル時代のピー語を発してる頃は、あまり好きではありませんでした。)
【のりぴーの思い出】
私がのりぴーに注目したのは、難聴者を演じた名作ドラマ「星の金貨」(95年放映)から。このドラマの再放送を見た時、あまりに面白くてアイドル時代ののりぴーとは違う、酒井法子という1人の女優を知った思いがしました。
ドラマの完成度も大変高く、今尚、涙する名作だと思っています。そして、すぐに「続・星の金貨」の放送が始まりました。実をいうと、この頃にはすっかり拓巳役の竹野内豊に心奪われておりました。そして、「星金」時代より一層、切ない役を演じていったのりぴーも目が離せない状態になりました。
この「続星金」というドラマ自体は、いまだに人生最大のちゃぶ台ドラマ(ちゃぶ台をひっくり返したくなるほどの駄作)と呼んでおりますが、ストーリーの無茶苦茶さとは裏腹に主人公3人の熱演が素晴らしく、「星金」より思い出深い(笑)ドラマになりました。
のりぴー演じる”彩”も、数々の逆境に痛めつけられるたびに壮絶に美しさを増すヒロイン役が印象的で、プチファンとなりました。CDも3枚くらい買いましたし、髪型もこの時が一番好きです。蒼いうさぎ/涙のドレスのPVビデオも買って、ウットリ眺めていましたし。それでも私が心惹かれていたのは、けなげな主人公「彩」ちゃんであって、トークを聞くと、「やっぱり”のりぴー”なんだよなあ〜」なんて、複雑な思いになって・・・。
それでも、大好きな星金ドラマの主題歌を一度ナマで見てみたいという思いが捨てられず、一度だけ新宿厚生年金ホールでのコンサートにも行きました。まさかこんな日が来るとは思いもしない10年前あの時、ナマを見ることが出来てよかったな、と思いつつ、また私にとって忘れられない事件簿*1の一人が増えちゃったな、という複雑な思いです。
確か、デキ婚の直前で、コンサート時もお腹には赤ちゃんがいたのか!(汗)と後で分かったので、'98年頃だったのでしょう。
【暗雲たちこめた結婚へ】
すぐに結婚へバタバタと突入して、出産→ママドルとして復帰、と急展開を見せていきました。結婚自体にショックは受けなかったものの、夫となる高相容疑者に、当時から全く良い感じを受けませんでした。二人にとっても”遊び”で終わらせるべき付き合いだったんじゃないか、この結婚は失敗だな、と勝手に即断していました。
長年、アイドルとして彼女を応援してきた、男性ファンが気の毒になるほど、「もっとイイ男いるだろうに・・・。」という溜息。とはいえ、彼女が自分の意思で選んだ運命なので、他人がとやかく言える筋合いはありません。ママドルとなってからは、正統派アイドルが誰からも見本となる「女性像」へとレールが敷かれていってる感じで、そこからはみ出すことは許されないような息苦しさを感じて、少し気の毒になったのも事実です。
ドラマを見ているだけでも、たまにふっと彼女の気丈さ&激しい気性の一端が見え隠れしておりました。キッと睨んだ表情に凄みがあって、怒らせたらきっと怖い人なんだろうなあ、とか(笑)。今回の事件も、夫が職務質問をされてからののりぴーの頑強に抵抗する姿(目撃者情報による)を思い浮かべながら、そんなことを思い出しました。
逃亡には、第三者のアドバイスがあったのでは?という話があり、全てが自分の考えではないでしょうが、妙に手際が良く、並の女性以上の機敏さ、気丈さを感じて、ちょっと戦慄を覚えました。もしかしたら、こちらのほうが彼女の「本性」に近いものだったのかもしれません。そうだとすると、過剰に創り上げられた「清純派アイドル」「お手本ママドル」の虚像にストレスを感じ、うまくいかない結婚生活などにどんどん追い詰められていったのも分からなくは無い。
一方で、彼女に同情しても厳格なる現実からは逃げられない。国内外で大反響を呼び、社会的制裁が降りかかって女優生命を危うくしてますし、何よりまだ幼い息子に大きな悲しみを与えたことが切ない事実です。
決してのりぴーだけを責めるわけではないのです。誰しも人は孤独や誘惑に弱いし、ひょんなことで犯罪者になってしまうこともある。どす黒い欲望や暗い面も抱えて、生きているわけです。もしかしたら、クスリによって「廃人」となる前に逮捕されたのは、長い人生の中では救いだったのかもしれません。
容疑者となったのりぴーだけを見て、彼女の過去の活動を全否定する必要はありません。「星金」など名作がお蔵入りになったり、彼女の曲にダーティなイメージがつきまとったりするのが悲しいのです。今回の事件を機に、もっともっと麻薬許すまじ!という風潮が出来て、破綻していく家庭が減るショック療法になってくれるといいな、と思います。
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【覚醒剤の怖さが分かるドラマ】
余談ですが、覚醒剤の怖さを知るなら、「3年B組金八先生」第7シリーズはお薦めの逸品です。ジワジワとクスリに侵されていく、少年役を八乙女光(Hey Say Jump)君が、体当たりで演じております。あまりの痛すぎる内容に目を覆いたくなるほどでしたが、私にはあの怖さが脳裏に焼きついて離れませんでした。
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*1:ホント何でも見に行ってる節操ない私です。