雅・処

好きな俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

スタジオライフ『夏の夜の夢』&『十二夜』連鎖公演(1)

衣装・セットがゴージャスになって驚き

先週末、劇団スタジオライフのシェークスピア3公演を一気に見てきました。「夏夢」は3度目の再演、「十二夜」は2度目の再演ということですし、映像にもなっているので、それほど驚きはないかな、とお気楽に構えておりましたが、美術・衣装に有名な宇野亜喜良さんを起用しているということで、ガラリとムードが変わるかも、という予感はありました。


案の定、ホールに足を踏み入れると深い漆黒の夜の舞台が目に飛び込んできました。今までは白いボックスを組み合わせたシンプルな構造でしたが、新しい「夏夢」のセットは、木や緑が描かれた、高さの違ういくつかのボックスとはるかに上まで伸びたカラフルな登り棒。「これじゃあ、ハーミアのハイジャンプシーンは見られないか・・・。」とやや落胆。


久しぶりの紀伊国屋ホールですが、相変わらずやけに”落ち着きのある佇まい”を見せています。今となれば、サンモールと並んで非常に慣れ親しんだホールになってきました。でも、観客を泣かせるあのガタガタの椅子だけは、いただけない。腰はともかく膝まで痛くなって・・・なんか全身にガタがきてしまう憎っくき椅子でございます。


余談ですが、会場案内スタッフに、某芝居で見かけた役者のSさんが居りまして、かなり驚きました。あまり気付いたファンの方はいなかったようですけど、「純粋なバイトか、お手伝いなのか?」真相は謎のままです。

【衣装とメイクの力が凄い】


まず最初に一番見たかった「夏夢」Savarinチームから。倉本さんのパックの衣装があまりにも凝っていてビックリ。しかも、ちょっとヨーロピアンな感じでしょうか?なんか、耳はとんがり、髪は黄緑色と、童話の中から出てきてような出で立ちに唖然。及川氏の豆の花は、全身ピンクで、もわっと膨らんだカーリーヘア。可愛いけど、表情がよく分からない。


その二人を見た瞬間に、やっぱり衣装の豪華さは今までのスタジオライフとは比較にならない世界なんだな、と実感しました。角を生やした石飛オーベロンにいたっては、アイメイクがものすごく濃くて遠めには、怒ってるのか笑ってるのか判断つきません。一瞬、以前のシンプルな衣装がとても恋しくなってしまいました。


顔の表情・繊細な表現が命、のスタジオライフにとって、この濃すぎる化粧はむしろ魅力を損なうもののような気がして、単純に残念に思ったのも事実。(それでも芝居に引き込まれるうちにだんだん、気にはならなくなってくるのですが。)ただ、女役は皆、可愛くなっていましたね。


ティターニアのさんなんて、”毒舌の年増女王”チックだったのが、”キュートな小悪魔”くらいになっていて大層驚きました。真っ赤なマニキュアも目に鮮やか、少し頬の肉が落ちたのか、美しくなられて、ドキドキしちゃうほど。ちょっとお下品な描写も減って、乙女度が増していたので見ていて楽しかったです。


岳大ヘレナに至っては、髪型も可愛いし、シルエットの美しいドレスを着て、ほっそりして見えてやたらにエレガント。岩崎ハーミアとの比較が弱くなってしまうほどに美しく見えてました。


松本君のヒポリタは、マーメイドのような美しいシルエットの白い衣装からのぞく筋肉質の二の腕、更には「これぞヅカメイク!」というくらい強烈なブルーのアイシャドウがすごくて。。。でも都の男女が白い衣装で統一されていたのには、ホッとしました。


ここまで衣装もセットもメイクも妖精の国ずくめだと、魔法にかかったようにシビレてきて、これは本当にスタジオライフなのかしら?(笑)と自問してしまいました。

【こんなに変わった、シーン】


前回までをご覧になった方は分かると思いますが、大きく変わったのがハーミアとライサンダーのデュエットと、ディミートリアスのソロがカットされてしまったことですね。ヘレナは2曲カット無し、なのですから、ちょっと寂しかったです。ディミートリアスを執拗に追う?ヘレナ、の描写が薄めになったのは、歌での絡みが減ったせいかもしれませんね。


やや冗長で飽きがきた職人シーンもだいぶ短くなっておりました。にもかかわらず上演時間は、ほとんど変わらないのは何故?


私が思うに台詞が以前よりゆっくりめになってる気がしました。役者達は、シェークスピア独特の長台詞をこなすのに必死で早口言葉のように雑に流していた部分を、ちゃんと分かるように丁寧に話していました。また、全体的に力技で笑いを誘うような強引な演技が抑え目になってて、「演劇」の原点に返ってるような気がしましたね。なので笑いのボルテージは、結構落ちた気がしました。


ハーミアの大暴れシーンとか、登り棒をかなり効果的に使ったパフォーマンスで笑いを誘っていましたが、この見せ場は、前回までの演出(セットを駆け上がり走り廻っていた)のほうがやっぱり好きです。仲原君のディミートリアスがすごく落ち着いて(前回の必死すぎな部分がないので)やたらおとなしく見えてしまいましたし、笠原ライサンダーもはっちゃける、というほどではない。


全体的に、”男ども”より”女たち”のほうが活躍するような芝居になっていた気がします。ディミートリアスライサンダーも本当に女達を奪い合おうと闘っているの?というくらい影が薄くて・・・。もっともそれでも大笑いはさせていただきましたし、以前とは違う魅力もあったのだ、と思ってさほど落胆はしておりません。


職人チームは、ボトムが山サキさんから奥田君に代わったことで、かなり見やすくなりました。山サキさん、かなり濃かったので(汗)。奥田君の3倍くらい喋っていたような、集団でいても一人芝居になってるくらい突出していました。だからこそ、最後の「ピラマスとシスビー」での名演が強烈に焼きついてるのですが、そこに行き着くまでのシーンは、見るたびに疲れを覚えるほどだったので・・・。


奥田君と青木君の同期同士の絡みも久しぶりに見ましたが、毎度見るたびに進歩していった青木シスビー。今回はフルート役の時にも、余裕を感じるほどでしたし、シスビーがクライマックスで慟哭するシーンは、涙を絞り出させられるほど圧巻で、一瞬こちらも放心気味となる始末。


初演の「夏夢」以来の観劇だった知人が、以前と同じ役だった青木君を見て、最初誰か分からなかった、というのも分かります。新人当時、舞台を降りればオドオドと焦点が定まらず、ファン全員が彼の行く末を心配したような、若き青木君の面影すら、全く残っておりませんでした。


トドメをさしたのは、松本ヒポリタ。台詞はなくても、「私は女優よ」と全身で語りかけてくるような強烈な存在感で、一撃をくらいまして・・・。間違いなく3年前より断然パワーアップしておりました。全編で揺ぎ無い笑いを醸し出していた林ティターニアも含め、一段と”女役が主役”の劇になっていた気がします。


そうそう、石飛さんのバリトンボイスは、一段と響きわかっていてミュージカルの特訓で鍛えられただけの成果を感じましたね。こういっちゃなんですが、スタジオライフで、これ以上の完成度は望めないんではないか、とすら思えてしまう、夏夢再々演でございました。


(つづく)

◆公演記念写真集(付録DVD3枚)9800円で来年2月に発売予定!

→ 劇場内に申込用宅配ラベル有。入金は、申込後1週間以内。今のところ、一般発売するかどうか未定のようです。DVDには、3チーム分が収録(→どうやら完全収録らしいです)されるようなのですが、「付録は写真集のほうでは?」と思ったり。


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