雅・処

好きな俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

スタジオライフ ’20 「はみだしっ子 ~White Labyrinths~」観劇記

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年明け早々に、久しぶりにシアターサンモールで劇団スタジオライフの「はみだしっ子」を見ました。本公演観劇は、昨年夏の「TAMAGOYAKI」以来です。こんなに間が空くなんて、ライファーになってから初めてのこと。


まあ、去年は「おっさんずラブ」で忙しかったのよ、ごめんなさいね、というのが本音でもありますが、このところ、劇団としての魅力が薄らいできたのも事実。観客動員もすごく落ちてしまって、存続すら危うい感じでしたし(今も綱渡りなのかもしれませんが)。


はみだしっ子』は、今は亡き三原順さんの傑作コミックが原作で、私にしても想いが人一倍あります。若かりし頃、一番読んだコミックだったですし、あのヒリヒリ心が痛むような繊細な世界観がたまらなく好きなのです。


だからスタジオライフの舞台化はこれが3作目で(もしかしたら続編はもう舞台化しないかも、という話も)、やっと待ちに待った雪山事件でしたので、「見逃せない!」と気合が入った作品でした。


1作目から変わらない階段のセットと衣装には、内心「うーん、少し変えて欲しかったんだけど」と思いつつも、芝居が始まれば、あのバス事故と遭難、切なくて苦しい展開にどんどん吸い込まれていきます。


とてつもなくシンドイ話ですが、こうやって舞台で生の人間が演じるのを見ると、エピソードが幾重にも折り重なっていって、複雑に絡み合いながら終着点へ見事に連れていく、そんなマジックのような奇跡のストーリーに圧倒されました。


血が繋がらないのに、家族や兄弟のように固い絆で結ばれた4人の少年達が「発砲事件」を境に、運命に翻弄されて、バラバラになっていく哀しさ。原作では、その4人が時間をかけて復活していく様もちゃんと描かれているのですが、舞台化ではさすがにそこまでの膨大なエピソードは追えない。


それゆえ苦しい切ない、救いようのない結末で終わってしまったのが残念ですけど、それでも三原順先生の偉大さに感服。余談ですが、ドラマ「おっさんずラブ ~in the sky~」の目も当てられないほどとっちらかったストーリー展開と絶望的に酷いラスト(失敗作レベル)と比べると、はみだしっ子のドラマは、悲劇であっても充分に「神作」。


倉田淳さんの脚本では、後半、アンジーの慟哭の独白シーンが多すぎてちょっと興ざめだったのが惜しい。グサっとえぐってくるような深い台詞をお芝居にぶち込みたかったのは分かるのですが、もうちょっと絞って欲しかったです。


キャストに関して少し触れますが、伊藤マックス&千葉サーニンの安定のいたいけな存在感も目に楽しかったです。やっぱり配役は、TBCチームがどうしても贔屓になってしまいますが、関戸君のグレアムもダークな哀愁があって興味深かったです。


前回、岩崎大ちゃんが長髪でキザに振る舞ったシドニー役を、田中聖くんの実弟田中彪君が演じていました。「田中君、早乙女太一君に似てるなあ」なんて思いながら見てました。石飛シャーリー、曽世ギイ、船戸アルフィーも適材適所。


まあ曽世・石飛の両氏は、何度も役替で出てきて、「これは、あの迷作『少年十字軍』の再来か?」と思ってしまったりしたのですが。「はみだしっ子」全て芝居にしたら、10作くらいになってしまうので、寂しいけどここでエンドでも仕方ありません。


もともと連続ドラマで見たかった作品ですからねえ。こんなにも台詞一つ一つが詩のような深い味わいをもつ三原世界、何年経っても色褪せないでいて欲しいものです。


miyabi2013.hatenablog.com
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そして次回作は、もう間もなく開演の「死の泉」。4度目の再演かな。私は2001年2度目の再演での衝撃がいまだに忘れられない、ライフでも屈指の傑作芝居です。今回は、東映プロジェクトと組んでDVD化も決まってるようですし、主要な役どころに外部の役者が沢山配役されていてとても切ないです。


一方で「死の泉」、ナチスドイツ政権下の禍々しい、毒々しい、狂った人々と美の世界観に引きずりこまれたい、そんな欲求にも襲われています。怖いけど楽しみ。