8月12、13日とカシちゃん(貴城けい)率いる新生宙組の博多座公演を見て参りました。東京の暑さとはまた違った博多の暑さ、良い汗書いた3日間でした。それにしても博多空港から博多座まで地下鉄駅で4駅目、7番出口直結という便の良さは素晴らしい。着陸後30分もあれば余裕で着けちゃうのですから。
博多座入場口には、巨大なポスターが掲げられていてこの仰々しさがたまりません(笑)。ポスター前で思えば遠くに来たもんだ・・・としばし感慨に浸りました。博多座の作りは、普通の劇場とはちょっと違っていて、ホールもロビーも四角形?みたいです。歌舞伎も上演される劇場なだけにやけに落ち着いた雰囲気。帝国劇場を思わせて初めて来た感じがしません。お土産物やレストランもいっぱいあります。
公演も中日を過ぎ、「初めての博多座公演をとても楽しみにしていたカシちゃんは堪能しているかしら?」なんてことが頭をよぎりました。劇場ホールに入ると幕は上がっており、舞台上が丸見えでした。今回は、オーケストラが舞台上にセットされており細い階段が上に伸びてます。音楽が鳴り始めると、金の電飾でミュージカルナンバーの曲名が散りばめられたボードが降りてきました。そこからあっという間にミュージカルの世界へ。
【「コパカバーナ」感想】
作曲家の主人公スティーブンの想像の中の人物、しがない作曲家トニーとコパガール志願の田舎娘ローラがナイトクラブ「コパカバーナ」で繰り広げる騒動。マフィアのリコと彼の情婦で女歌手コンチータ、コパカバーナの支配人サムなどを交えた人間模様がミュージカルの中で展開される。
ということでストーリーは見てるだけで充分理解できます。笑えないアメリカンギャグがちょっとばかし寒いけれど(汗)、登場人物の個性がハッキリしていて、派手なラテン系ナンバーに救われ、また宝塚バージョンオリジナルのクスリと笑えるラストが用意されているため、気持ち良く楽しめる作品になってます。
今回の宙組メンバーにはコメディセンスがあるジェンヌさんがほとんどいなかった*1のが残念といえば残念。全体的には短期間であれだけ完成させたのは凄い、と感心しきりでしたが、やっぱりコメディって難しいなあ、と思いました。技術もさることながら、これこそ持って生まれた才覚ですから、やはりハードルが高いという感じです。
最初と最後は派手で元気の出る「コパカバーナ」のテーマソングで盛り上がりまくり。1番気に入ったのは、「Dancin' FOOL」(→踊りバカ)。お揃いのブルーの衣装で男役が激しく踊る。本場のダレン・リー氏の振付は、お上品なヅカのダンスとは全然違って、かなりアメリカン、少々ガサツだけれど洗練された振付が猛烈にカッコイイ!このナンバーは、芝居が始まって15分くらいですぐに出てしまうのがもったいない〜と悶えるほどのゾクゾクする魅力です。このダンシングだけ10回見たいくらいでした(笑)。
紫城るいちゃんが「来てよ〜男♪」と歌う印象的な曲「Man Wanted」(男が欲しい)は、スマスマの竹ノ塚歌劇団が歌いそう、とか思ってしまいました。なんだか妙に演歌調。それからタニちゃん(大和悠河)が気迫で歌っていた「Bolero de Amor」も忘れられません。最終小節でカシちゃんの声が重なっていきます。
【トム君の誕生日を祝って・・・ビールになる?!】
8月12日は、蘭寿トム君の誕生日。この日の最終アンコールは、とってもお茶目な催しがありました。コパカバーナ衣装のまま、カシちゃん&トム君がステージにあっかるく再登場。「うん?何かが違うぞ」と思いきや二人は顔から上、ビールジョッキの被り物を被ってました。黄色い液体部分のど真ん中、丸円にくり抜かれた部分から顔を出し、髪の毛のような白いチリチリは泡を表しています。
金色の衣装とあまりにぴったりだったのと満面の笑みで客席へアピールする二人があまりにラブリーで爆笑の渦。そのうち誕生日を祝って「乾杯〜!」とばかりごっつんと二人で頭をぶつける(ちゃんとビールで乾杯してるように見えました)パフォーマンスもあり、笑いまくりでした。カシちゃんがお茶会で語った裏話もありますので後ほど。ちなみに13日のほうは、カシちゃんの猛烈投げキッスが炸裂してました。
次回はカシちゃんへの愛の賛歌?を中心に。
Copacabana (1994 Original London Cast)
- アーティスト:Original London Cast
- 出版社/メーカー: Relativity
- 発売日: 2000/08/22
- メディア: CD
*1:宝塚全体でもこのセンスを感じさせる人は稀少です。